TOKYO2020 オリンピックゆるゆるテレビ観戦記 #3
日本の男子バレーボールチームが29年ぶりに予選リーグを勝ち上がったが、準々決勝ブラジル戦はあっさり敗れてしまったらしい。
準々決勝のゲームは残念ながら観ることができなかったが、予選リーグ最終戦のイランとのゲームは最初から最後まで観てしまった。
いやあ、あれは疲れた…。
日本の男バレ、そもそもオリンピックに出るのが2008年の北京大会以来13年ぶりなわけで、それはソフトボールや野球のようにその間競技がなかったわけではなく、実力不足で出場できなかったわけで。つまり日本の男子バレーボールは弱かったのだ。
日本の男バレが弱っちいことをわかった上で、私は男子のバレーボールを観るのが好きだ。男子のバレーボールが好き、というよりは、中学・高校時代にバレーボールをやる男子が好きだったというだけのことなのだけれど。
日本が弱くてもなんでも世界のバレーボール大会は日本で行われるし、テレビ中継もたくさんある。女子のバレーボールにはそれほど興味が持てないのだが、男子のバレーボールはうっとり観てしまう。「三つ子の魂百まで」とはよく言ったものだが、中学・高校時代に熱い何かが胸に刻まれてしまったらしく、今も男子がバレーボールをやっている姿を見ると血が騒ぐ。
そういう意味で、私がオリンピックで最も観たかった競技は男子バレーボールかもしれない。なかなかテレビ中継の時間を把握できなくて、最初から最後まで男子バレーボールのゲームを観戦できたのが予選リーグ最終戦のイラン戦だった。
実は7月28日のイタリア戦も途中からではあったが観ていた。
イタリアが強豪だということはわかっていたから勝てるとは思っていなかったけれど、その前の初戦で29年ぶりのオリンピック勝利がニュースになっていたし、第2戦も勝っていたから、どの程度渡り合えるのかとちょっと期待していた。
たぶん卓球の混合ダブルスで中国相手に勝ちきった水谷・伊藤のゲームのようなものを期待してしまっていたのだろう。
完膚なきまでにやられている感はなかったが、奇跡が起こりそうな感じもしない、というのが男子バレーボールのイタリア戦の感想だった。
その感じはイラン戦にもあった。
このゲームに勝ったら予選リーグを突破して決勝トーナメントに行ける、と周りが期待しているわりには、何がなんでも取りに行くという気概みたいなものが感じられないというか、、、。
それこそオリンピックのような大きな大会では、1試合ごとにチームが成長していくとか、実力以上の神がかったような力が発揮されるとか、そういう姿を目にすることがある。29年ぶりというのはなかなかの時間が流れているので、奇跡のような力でも働かないとちょっと突破できないのではないかと思いながら、そういうことを期待していた部分がある。
ところが今回の日本男子バレーボールチーム、ぜんぜん何か起こりそうな感じがなかった。正直、なんかフワッとしたチームだと思いながら観ていた。「気持ちで勝つ!」みたいな雰囲気があまりない。
ただその代わりと言っては何だが、劣勢になっても変に浮足だったりもせず、けっこういいところでサーブを失敗しても悪びれもせず、スポーツ選手にしては低体温な人たちだな…と思った。
だから正直言って最終的には勝ちきれないのでは?と思いながら観ていた。
もちろん勝ってほしいとは思っていたので、何も奇跡は起こりそうもない中、淡々と点を取り合いながら最終セットまでもつれた展開にはけっこう痺れた。低体温な人たちも最終セットはさすがにちょっと熱くなっていた気がした。
勝ちきれて本当によかったよ。よく考えたら29年ぶりと言われたって、生まれていなかった人たちがほとんどだもんねえ。
せっかく勝ち上がった準々決勝は観ることができずに日本男子バレーのオリンピックは終わってしまったけれど、少しは成長した姿があったのだろうか。ずっと低体温な感じのまま、「やっぱりここまでだったね、、、」といった感じで終わったのだろうか。
それでも29年ぶりのオリンピック勝利という重い扉を開けたのだ。
次のパリ大会も是非日本男子バレーボールチームに出場してほしいし、それまでに世界と渡り合える強さを築き上げてほしい。
だってやっぱり日本のバレー男子が跳ぶ姿を見たいんだもん。