VOGUE JAPANを定期購読している理由
VOGUE JAPANを定期購読して、確か今年で10年経つ。
定期購読している理由は、私にとっては他のビジネス誌やビジネス書よりためになるからだ。
そもそも仕事に関して勉強するのがあまり好きではない。
まあでも長く会社員をしていると、さすがにそんなことを言っている場合ではない時期が遅かれ早かれやってくる。
30代も半ばを過ぎてからそれに気づいた私は、ある時期頑張ってビジネス誌やビジネス書を読んでみた。
雑誌としての体裁が比較的好きだったので、ハーバードビジネスレビューを定期購読していたこともある。
ただ、毎月送られてくる雑誌をなかなか読み切ることができず、月によっては自分の仕事にはほぼ関係がなくて興味が持てない記事しかないこともあり、3年ほどで挫折した。
プロフィールに書いたが、一応マーケティングと呼ばれる仕事をしている。
マーケティングという仕事も多岐に渡るため、その時々の組織の状況で守備範囲が変わる。つい最近まではあまり大きなチームではないところに属していたため、けっこう守備範囲は広かった。大きく言うとブランディング、ブランドマーケティングと言われる仕事、それもラグジュアリー、プレステージという市場におけるブランドマーケティングだ。
市場自体がニッチなので、この世界のマーケティングに関する書物を探してもなかなか見つからない。シャネルやルイ・ヴィトンに関する本を読んだことはあるけれども。
で、ある時気づいたのがVOGUE JAPANの存在である。
ファッション誌ではあるが、プレステージビジネスを理解するにはこれを読むべきではないかと。
けっこうためになるのが、VOGUE JAPANに掲載されるラグジュアリーブランドの広告である。
昨今は雑誌という媒体自体が厳しい状況に置かれているのと、ブランド側もコロナ禍で広告制作がままならない、広告費にかける費用を削減せざるを得ないという状況なのか、だいぶ広告が減って1冊が薄くなってしまったのを感じるけれど、それでもシャネル、クリスチャン・ディオール、ルイ・ヴィトン、プラダ、グッチといったラグジュアリーブランドのヴィジュアル制作のクオリティの高さは感じることができる。
それこそ5〜6年前まではもっと数多くのブランドが出稿していたので、それぞれのブランドの世界観がどう表現されているのか、シーズンプロモーションはどう打ち出しているのかを眺めるのが楽しかったし勉強になった。
広告だけでなく、記事そのものもクリエイティビティが高い。センスがよいとはこういうことか…と勉強になる。
ビジュアル的に美しいので、見て、感じて終わってしまうことも多いのだが、セレブリティトークなどの記事は読めば読み応えがあって、それもプレステージ市場の感覚を理解するうえではためになる。本当にボリュームがあって読みきれないことの方が多いのだけれど。
なので、私にとってはVOGUE JAPANはファッション誌であると同時にビジネス誌なのだ。ラグジュアリーブランドのブランディングとはどういうものか、そしてクリエイティブのあり方について大変参考になっている。