サレ妻・アグレ妻 5 それはまた、かすかな違和感で始まった。
夫の、もとい、元旦那の一度目の浮気から、7年が経ったころだ。
さてその前に。
7年前、夫の浮気で私が学んだこと を書いておきたい。
義父母はもちろん、私の母、姉までも私の見方に立つ人はいなかった
(父以外)
私が悪妻だから?
とんでもない。
元ダンが開業医だからである。
母:医者なら誰でもやっていることよ、浮気なんて。(私の意見ではありません、母の意見です) 家庭をほったらかしにして、女と遊びに行っていたわけじゃなし。夜だって外泊せず戻ってきてたんでしょう。ちゃあああんと、お金もいれてるんだから。あなた、離婚なんて何言っているの。子供たちもまだ小さいのよ、よく考えなさい。
姉:浮気も織り込み済みで医者と結婚したんじゃなかったの? こんな風に騒がれて、義母さんにしたら、とんだ嫁だわねぇ。
義母:冷たーい家庭だったんじゃないの、だからよ。
そして元夫にいたっては、
伊津が、騒がず黙っていれば、別に何ともなく終わっていたような浮気なのに。
と、のたまった。
見つかった直後は
マンションから飛び降りようと思った、
嘘をついて、そのためにさらに嘘をつかなくちゃいけなくて 収拾がつかなくなっていた
そう言ったのはどこのどいつだ!?
独身で、年齢を偽って、女に結婚しようと言って、あの様子の女だから、ぐいぐい押されていたに違いない。そして結婚式当日 当然自分側の親族が来るわけでなし、ウソがばれて焼身自殺。。。。と言うようなシナリオが用意されていたかもしれない。
それをくいとめた“聡明な”妻に感謝してもらいたいものだ。
さらに聡明だっとことに私は ここでの離婚をとどまった。そして以下自分の反省点をまとめた。
1) 私は自分の仕事を辞めて、すべての家事 子育てをやっていた
しかし、確かに たまには手伝ってよ、といったことがあったかもしれない。取り入れた洗濯物がリビングに広がっていて、私は子供を見ながら料理をしている。そんな時元ダンはテレビを見ながら洗濯物をたたんでくれることがあった。
姉:遅くまで働いているっていうのに、洗濯物を畳まされているんですよ、って言ってたわよ
2) 料理はすべて手料理。コンビニで済ますというようなことは一切ない。周りの評価から言っても、私は料理が下手ではない。
しかし、確かに、元ダンは,たまには寿司を取ろうといったことが ある。
3)掃除は、潔癖ではないかもしれないが、インテリアの工夫もし、ある程度行き届いている
4)性格上、小うるさくない。元ダンにいちいち小さいことで不満を言うことはない。
5)子どもたちも問題なくすくすく育っている
私の何が不満だ~!!!!!!
もちろん、あの女のように、けばけばしくない。
もちろん、あの女のように、ミニスカートにピンヒールなどと言う格好は、死んでもしない。
子どもが小さいので、私が夕食を子供と一緒に取ることがあった。
寂しがり屋の夫は、私に待っていてほしかったのかもしれない。
そんなことか?!!
私たちの間のセックスで何か問題があったわけではない。夫が早すぎて、私に不満が残ることが度々あったが、夫は私に配慮するどころかそんなこと気づいてもいなかった。
夫の実家には月に1,2度行くだけだったから、少なかったのかもしれない。
夫は私の実家に一年に一度くらいしか行かないのに?
そして夫はあるとき言った。浮気の発覚後である。
私が夫をほめないと。
例の女は、元ダンの事をほめちぎっていたに違いない、
当たり前だろ、それが仕事なんだから!!
私はつくづくあきれ返った。元ダンに、義母に、母に、姉に。
夫の浮気は私のせいで、夫に非はなく、開業医である限り、私が我慢して婚姻を続けるべきなのである。一度離婚届を夫に付きつけたが、それを引っ込めたことに 私の周りのすべての人が安堵していた。
開業医は離婚されない
私が夫の事をほめ足りなくて、つくし足りなかったんです。私が我慢すれば、子供たちも裕福な生活ができるんです。男が商売の女にウソをついて遊ぶなんて、当たり前の事で、目くじらを立てた私が悪かったんです。きっと夫にとって、私はこの世のものとも思えないほど不細工な容貌でバカなのに、結婚してくれたのだからありがたいことです。自分が開業医にはなれませんし、そんな稼ぎも無理ですから、夫を尊敬しなくてはいけません
私は深く反省して、、
んなわけないだろ!!!!
元ダンが、自分の浮気相手を目の前にして私に
ほら、かっこいいでしょ?
と彼女のことを自慢したこと、その顔を私は七年間 忘れることはできなかった。
ちなみに、開業医である義父にも浮気騒動があったらしい。元ダンはそのことを覚えていた。それなのに義母は私に同情するわけでもなく、冷たい家庭が原因だったかのように私を責めた。息子に非はないと。
そう言われたことについても、私は何回も思い起こして 黙ってはおれなかった。
私はじわじわとアグレ妻と化していた。
そしてついに、義母に言い放った。
カエルの子はやっぱりカエルなんですねぇ~
ああ、義母にそう言ったこと、今思い起こしても、
気持ちがすっきりする~
言ってよかった~!
あれから7年。浮気疑惑が再び訪れたのである。
別に待っていたわけではない。いつか離婚しようと決めていたが、ずっと憎んで生活をしていたわけでもない。もちろん怒りはずっと秘めていたが、そこは聡明な私。不本意ではあったが、きっちり開業医の妻を演じ、できる限り満喫した。
仕事も始めていた。
元ダンの崩壊が着実に近づいていた。
そんなことも知らずに、元ダンは、女と六本木で会う約束をしていた。
ヨシちゃん、おっけー
ロブションに12時ね
女が返信していた。
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