深圳から香港へ遊びに行った話①

 夫の仕事の関係で、深圳で過ごすこともあり、せっかくだからと香港まで足をのばした。香港で一泊したかったけれど、ホテルの部屋は狭く、そして宿泊料は高かった。なので、深圳のシェラトンに前泊して、朝早く香港へ向かうことにした。ひさしぶりのハイクラスホテルで、その清潔感や洗練されたサービスにふれ、夫と共に感激した。
 そして翌朝、深圳から香港へ。どうやって行ったのだか夫まかせだったので全くわかっていないのだが、たぶん、福田口岸だったと思う。とにかく大混雑とスタッフの怒号の中でイミグレーションを抜けた記憶しかない。誰もが「我、先に!」と頑張るものだから、そのカオスの中で、このまま深圳を出られないかもしれない…と思うほどだった。私は中国の人たちのこういう面にふれると思わず笑ってしまう。痛快なくらい自己中心的だ。
 なんとか香港へ出ると、すぐに電車の駅があり(おそらく落馬州駅)、あたりはたちまち空気が軽くなった。誰もがゆとりをもって歩いている。改札で人とぶつかりそうになった時には「お先にどうぞ」という仕草をされ、中国とは別の文化圏へ足を踏み入れたのだと実感した。

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