2024年8月14日~16日 青春18きっぷで山陰ひとり旅
今年の夏は夫が一人で帰省すると言うので(嬉しいような寂しいような)、その3日間は思いつきで一人旅をすることにした。パジャマ姿で夫を送り出して約1時間。部屋を片付けて身支度を整え、最低限の着替えを用意して、青春18きっぷを握りしめて、とりあえず東へ行く電車に飛び乗った。
「ずっと、こういうことがしたかったんだ」と思った。目的のない旅。
出発地は博多。具体的な目的地はなかったが、なんとなく行き先は山陰側に決めていた。行ったことのない場所をさまよいたかったのだ。15時10分の電車に乗って、ようやく門司から下関へ渡った頃には夕方になっていた。今日中にどこまで行けるか。できるだけ遠くへ行きたかったけど、真っ暗になってから宿泊施設の乏しい町に辿り着いてしまったら最悪だ。
スマートフォンを検索しまくった末、宿泊施設の充実する「湯田温泉」を一日目のゴールに決定。夕方の湯田温泉の町はとても風情があって素敵だったが、宿泊したビジネスホテルではなぜか一睡もできなかった。
翌朝。眠れないので、朝6時頃にホテルをチェックアウトして、また東へ向かう電車へ。いよいよ山陰! しかし、湯田温泉駅から山口駅へ着いて早々、便の少なさに衝撃を受ける。午前中のうちには津和野までしか行けない。せっかく早く出発したのに。便の少なさを甘く見ていた。
山の中を走る津和野行きの電車には、私を含めて乗客が3人のみ。車窓にガサガサとふれそうな手つかずの山の緑、トンネル、またワイルドな緑、を繰り返しながら、ある時トンネルを抜けると真っ白な世界が目の前に広がった。「篠目」という駅で、朝の霧に包まれていたのだと思う。初めて見る光景に目がさめた。
そして、津和野に到着。ここから山陰へ向かう電車は、また1時間以上待たなければならなかったので、レンタサイクルを利用して町を探検することにした。この2日目の朝が、私の旅のピークだったみたいだ。なぜなら、写真がほぼ津和野しか残っていないから(笑)。
1時間のサイクリングで飽きてしまい(早すぎてお店もほとんど開いていなかった)、次の各駅停車の電車も待ちきれず、仕方なく「益田」まで特急に乗った。あとは、あんまり記憶に残っていない。寝ていなかったので、さすがに疲れていたのだと思う。
この日は松江まで足をのばし、ドーミーインに宿泊。ついでに島根県立美術館にも立ち寄り、早く寝た。清潔な客室でぐっすり眠った。
前日は21時に就寝したので、また早起きして出雲大社へ向かう。帰り道にも、旅らしいことをしたいと思った。写真だけで言うと、私の旅はこの朝に乗った電車で終わりだ。
帰路ではひたすら疲れ果てていた。(やむなく、途中で特急電車も利用した。喫茶店もほとんどない駅で1時間以上待つことができなかった)
なんの成果もない旅だった。でも、心はリフレッシュされたように思う。旅は人生になぞらえられるものだけれど、まさにそう。こんな無目的・無成果な旅が、少なくとも今の私には心地いいのだ。人生も。
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