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心の灯り

「ね、花火しよ!花火」
「なに急に」
目の前の彼は首を傾げる。

「だってぇ!今年はぜーんぜん、夏らしいことできてないんだもの」
「今年も、だろ?」
仕事が忙しいんだよー、今年こそお願い!と言いながら彼を見つめる。
こんなにかわいい女の子に見つめられたら、頷くしかないでしょ!
勇気をだして伝えたのだから……。
きっと、伝わって……。


「気が向いたらな」

どうやら振られてしまったようである。




「ちぇー、雨じゃん」
そっと呟く。
今日の花火大会はきっと中止だな。
一緒に行きたかったのになぁ……。

「おぅい、今日時間ある?」
何よ急に。
いつもと変わらない声で彼は話す。
「コレ、やんない?」
手には線香花火が握られていた。
「これなら、雨でもベランダでできんだろ」
やる!!!
彼に飛びつくように私は跳ねた。


「おい、肩濡れんぞ」
だって、ベランダ狭いんだもの。
くっつきそうなくらい身体を寄せ合う。
灯りをつけた線香花火は軽い火花を散らして消えてゆく。
わぁ……。
「派手なのもいいけど、こういうのもいいよなー」
風流、だね。
「お、何か賢そうじゃん」
何よう!!
軽口を叩きながら。
笑い合いながら。
この時間を堪能する。

「あんま、無茶すんなよなー」
線香花火を見つめながら続ける。
「表情に出てるぞ」
……。
そんなバレバレだったかなぁ。
「イケメン君に振られたからって落ち込むなよな!!」
前言撤回。
こいつ、何もわかっちゃいない。
なーにが、イケメン君だ!!
そんな奴、眼中にもないの!!!
本当に。
本当に好きなのはさ……。
「なーに黙ってんだ?」
の、覗き込んでこないでよ……!
顔面偏差値高男……!!

いつだってこの人は。
相手の気持ちを汲み取ろうとして、気を遣ってくれる。
なのに、全然何を考えているかわからない。
底が知れない。

だから。

素直にならないと結局何も伝わらない。
自分をさらけだすのは怖いけど……。
何度も行動せず、後悔するのはやめるんだ。

「ほんとはね……。」



滑り込みで書かせて頂きました。


ふらり、と訪れた記事に書かれていて。
久々に小説を書いみるかぁ、と。
やーー、まだまだですね。
また、少しずつ小説も書いてみようかな。

藤家 秋さん、急ではございますが
参加させて頂き、ありがとうございました。

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