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私は私でしか生きられない-作業療法とは自分の「空の箱」を埋める工程である(トゲナシトゲアリ 5thライブ 鳴動の刻から)

トゲナシトゲアリ 5th ONE-MAN LIVE 鳴動の刻

やっと5回目にしてチケットが当たったトゲトゲのライブに行ってきました。
会場のパシフィコ横浜国立大ホールが5,000人の観客で埋まり、座席はあるもののオールスタンディングでライブは熱を帯びました。
そして、終了後に待望の武道館ライブの告知がありました。これには会場からも大歓声が上がりました。
ぜひともTVアニメのOPの演出を再現してほしいです。当たるかどうかはわからないけれど・・

今回は、アニメでも重要な位置を占める「空の箱」という曲から作業療法を考えていきたいと思います。(何と生桃華さんが空の箱を歌ったんよ!)

TVアニメ『ガールズバンドクライ』第1話挿入歌「空の箱」

以前の記事でアニメのあらすじを若干紹介しましたが、主人公の仁菜が高校を中退する決心をしたときに後押ししてくれた曲が、この「空の箱」です。
ダイヤモンドダストというグループにいた桃華さんが作った曲で、学校でいろんなことがあっても仁菜にはこの曲が支えになっていました。

大人の言うことを聞けばそれなりのメリットはあるのに、どうしてもそれを呑み込めない、そんな仁菜の葛藤をこの曲が和らげてくれていたのだと思います。
頭ではわかっているのに、その行動ができない。
妥協する自分を認めたくない。そんなの自分じゃない。
自分と自分が対立して、もうどっちにも進めなくなってしまう。
(仁菜はその思いを電灯を振り回すことで発散していましたが)

だんだんと心が空になる

それは突然の病気や事故、あるいはそこから引き起こされる障害の状態になったときにも起こり得るものだと言われています。
今まで自分が想像もしていなかった環境で生きていかなければならない状態を、人はそう簡単に受け入れることはできません。
医師やリハビリ担当の療法士から言われたところで、その言葉は初めは現実味を帯びていません。
考えるだけでは解決しないことを考え続けていくと、だんだんと頭や心が空になっていくかもしれません。

心を満たすかかわりーそれが作業療法

作業療法を英語にするとOccupational Therapyと言います。これは空っぽになった心を「満たす」ためのかかわりです。OccupationはOccupyの名詞形で「満たされる」という意味です。

何をしていいかわからなくなったけれど、とりあえず今できる何かはしなくちゃ。
そうやってできることを増やして、少しずつ頭や心の中を満たしていきます。
自分でもわからなくなってしまった自分を、取り戻すために。

そして最後に、自分は自分でしか生きられない、変わってしまった自分も自分なんだと納得して受け入れられるようになる―そうなることを目指しています。

この曲は、そうやって悩んでいる人たちの背中を押す曲なのでしょう。
私たち作業療法士は、日々こうして悩む方々を受け止めて応援しています。

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