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「ソードアート・オンライン」からリハビリテーションの未来を考える
小説の世界が現実になる?
2024年11月7日14時55分、小説「ソードアート・オンライン」の作中ゲームである<ソードアート・オンライン:SAO>がクリアされた日がやってきました。
これは2009年から出版された小説の中での話なのですが、2022年11月6日に次世代VR型ゲームである<ソードアート・オンライン>が開始され、ゲーム内に囚われた参加者が熾烈な戦いの末、この日に解放された、というものです。
小説から15年、現実にこの日が来ましたが、こちらの現実世界ではどうなっているでしょうか?
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仮想現実(VR)
まず、VR機器は以前よりかなり進化しています。Meta、ソニー、Appleなど各メーカーが高性能な機器を発売しています。私もソニーのVRを使っていますが、VRMMORPG(仮想現実大規模多人数同時参加型オンラインゲーム)とまではいきませんが、没入感はものすごく体験できます。
また、メタバースと言われるインターネット上の仮想空間にある商業空間も、少しずつ広がりを見せています。アバターでその空間を歩いてお店やらを眺めると、本当に時代は変わっていくんだなと実感します。
まだ手で操作するものですが、そのうち脳の情報を読み込んで両手を操作しなくても参加できるものが出てくるかもしれません。
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ブレイン・マシン・インターフェイス(BMI)
一方、リハビリテーション医学の領域では、ブレイン・マシン・インターフェイス(BMI)という技術が開発されており、現在手指タイプの医療用BMI機器が実現しています。微弱な脳波を読み取り、それを手指の動きに変換して麻痺した上肢を頭で考えたとおりに動かそうというものです。すでに導入している病院もあり、今後のリハビリテーションへの展開が期待されています。
想像力があるからこそできた表現
SAOのマザーズ・ロザリオ編では、ユウキという子が、現実では病気で反応が全くない状態なのに、このゲームの中では一番強い剣士として活躍します。病気で寝たきりですが、脳波などを読み取って本人が考える動きをVRの世界で発揮します。
そして、その後の展開は、涙なくしては見られません。
想像力というものは、こんなに人の心を打つものであり、しかしひょっとすると現実になり得るものなのかもしれませんね。
だからこそ、こんなことなるわけないと言って考えることをやめてしまうのではなく、ひょっとしたらいつか現実になるかもしれない物語を、なかなか前に進まない現実に抗って紡いでいく必要があるのだと思います。
もうあきらめていた世界をメタバースで体験する
病気で動けなくなったから好きな旅行をあきらめていたけれど、VRを使ったメタバースの中では旅行ができる。旅先のおいしい食べ物や花の香りなども体験できる。
家族や友人とまた一緒に旅行ができるなんてー。
こんな体験を待ち望んでいる人もいるかもしれませんし、いつか実現する日が来るかもしれません。
これが、好きを取り戻す、ということです。
想像力が必要な仕事―作業療法
私は、作業療法に一番必要なのは、想像力だと思っています。
現実の、目先のゴールにとらわれてばかりではなく、こんなことがあったらいい、というような想像力を現実に変えていく力が今後は求められるのではないかと思っています。
これから作業療法士を目指す中学生や高校生の皆さん、あるいは今まさに作業療法を学んでいる学生の若い皆さんこそ、想像力を大切にしてほしいと思います。
また、初めて作業療法という言葉にふれる方がいらっしゃいましたら、ぜひいろいろ調べてみてください。
こんな仕事もあるのです。
今、可能性が小さいからと言って無理だと思うのではなく、その答えを出すのは、5年先、10年先でもいいのではないでしょうか。
だから、ゆっくりとゴールを見据えて、焦ることなく未来を想像してほしいものです。