見出し画像

鳩にご依頼



ご依頼先

文章のご依頼はTwitterもしくはメールよりお声がけください。
メールの方がご返信早めかと思います。

minato.no.hato@gmail.com


活動について

主に文学フリマ東京にて書籍を販売しています。
サークル名は波間文庫
これまでに発行した書籍についてはこちらから。
波間文庫 通信書店部が通販です。
たいていは100年くらい前のどこかの誰かの話を書いています。
雑感(随筆)や何かが出たりもします。


文章サンプル

小説(長い)

古めかしい小説が多いです。

 紙の上に存する女に恋をした。濡羽の髪をおかっぱにして脛を見せる洋装はいはぬ色、椅子に腰掛ける様は毅然として、ツンと上向いた顔の燃ゆる頬に、肌は上等の正絹の白さ、薔薇色の唇が麗しい。写真であるから、その色は本当のところはわからないものの、俺にはそれらが、前述の色をしていると信じて疑えない。俺は絵描きだから、そういった色の機微には聡いのだ。きっとそのような容色の女であるに違いなかった。

くちなし(冒頭)


 どこもかしこも瓦礫の山になった土地で、十二階を爆破させてさらに瓦礫の山を増やすという噂を聞いたので、どうせなすべきこともないと相澤はのこのこ浅草へ出かけていった。何事を考えることなく十二階を目指して歩いていると、噂を聞きつけた似たような野次馬が十二階の麓に集っており、それを制止するものと押し合いへし合いする人だかりとが混在している。その人熱は、この頃の東京中の人間の大混乱を思い起こさせ、それが相澤には甚だ嫌であった。
 あの大破壊からひと月近く経ち、その間に否応なく相澤はその変わり果てた東京市の街並みを見た。そこに住んでいた人間たちを見た。その生活を見た。まだ火の烟るような焼け跡での炊き出しから、夥しい数の行方不明者の張り紙やら呼びかけから、現在では商業の回復をも見ている。相澤も家業の問屋をそろそろどうしようかという段階であったが、それを考えるだけの気分の晴れ間も持てない。十二階の破壊を見物しに来たのは、その鬱屈した気分への気晴らしであった。あの大破壊のあとで、相澤にはこれ以上の娯楽も、不幸もないものだと思われてならなかったのである。

主演(冒頭)


小説(短い)

普段は古めかしいものばかり書いているわけですが、そうでないものも稀にあります。


雑感(随筆)

いろいろです。


感想文

映画・書籍・演劇等いろいろです。
noteの更新が多いのは感想文ですが、もともとは小説、物語書きです。

抜粋

一覧


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集