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机の上の鳩

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小説・随想などなど、書きためてきたものたち。何とも呼び難いものが多いため小品と呼んでいたりもします。
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2024年2月の記事一覧

生活の記憶

 仮住まいの長屋を出ると、隣の玄関先にはごちゃごちゃと物が積まれていた。何が何やら分からないが通路を塞ぐそれらは、よく見てみるとカンヷスや額箱やそういったものらしい。どれかひとつ引き抜いてみようかと悪戯心も湧くものだったが、あまりに美事に山となって積み上がっているものだから、その均衡を崩してしまうと私も一緒に潰されてしまいそうな気がして止めておいた。山を横目にそれを避けて、どうにか路地の方へと向かう。ちらりと見える箱の表面には知らぬ名のサインが、歪んだカンヷスの表面には描