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海洋プラスチックごみの発生抑制事業【私の議員活動#15】
はじめに
SDGsという言葉を新聞やニュースで見ない日はなくなりました。
SGDsは持続可能な開発目標と訳されていますが、2015年9月に国連サミットで定められた国際目標です。
大きく経済、社会、環境の3つの要素が調和されている状態が求められ、地球規模の様々な課題に対して国や世代を超えて自主的にやれる人がやれることからすぐに着手しようというルールとなっています。
プラスチックの海への放出は年間800万トン🌊
SDGsの目標の一つに、海の豊かさを守ろうという目標がありますが、中でも近年国際的な課題となっているのがプラスチックごみです。
世界中で毎年800万トン以上の廃プラスチックが海に流出されているそうです。そして、それらの有害物質が海洋生物を汚染し、やがては魚などを食べる私たち人間の健康を害すると言われています。
日本はワースト2位!?
毎年800万トン以上増え続けている世界の海洋プラスチック。
現在、その総量は1億5,000万トン。驚くことに、2050年には海洋プラスチックの量は魚の量を上回るとも言われています。
ちなみに日本のプラスチックごみは1年間におよそ900万トンが排出され、約半分は私たちの生活の周りにある、ペットボトルやレジ袋、コンビニのおにぎりの包みやスーパーのお肉や魚のトレーなどの容器包装用のプラスチックだそうです。この量は、人口1人当たりで見るとアメリカが最も多く、日本は残念ながらワースト2位となっています。
プラスチックごみの対策が喫緊の課題
プラスチックごみのうち、焼却して熱として再利用できるのが56%、次いでプラスチックの原料に再生できるのが23%とのです。
実は日本は、再生処理を中国や東南アジアなどの海外への輸出に頼ってきました。しかし、この再生処理の際、環境汚染や海への流出などが国際社会で大きな問題となっていて、2019年にバーゼル条約が改正され、2021年には相手国の同意なしに汚れたプラスチックのごみの輸出ができなくなります。そのため、国内での対策は喫緊の課題と考えています。
港区での取り組みは?
港区では、海洋プラスチックごみの発生抑制として啓発事業に取り組み、パネル展示や清掃車へのラッピング、紙ストローの製作と提供、港区オリジナルのマイバッグの配布などが行われてきました。
また、昨年度実施した区民アンケートでは、9割以上の方が海洋プラスチック問題を認知し、マイバッグの持参やプラスチック製のカトラリー、スプーンやフォークを受け取らないといった行動を実践されていることが分かりました。さらに今後は、芝浦港南地区の運河やお台場で実施をしたマイクロプラスチックの採取調査の結果も活用し、イベントやSNSなど様々な場面で海洋プラスチック問題に対する啓発を強化していくとのことです。
環境の変化に応じた事業展開を!
私自身、レジ袋が有料になったことで、コンビニでのレジ袋を受け取る機会は減り、ごみの捨て方を意識するようになりました。特に生ごみの処理の仕方を考え始め、小さい頃に教えてもらった段ボールコンポストが浮かび、生ごみ処理機の活用も検討しています。
実は、港区では生ごみ処理器の購入への助成も行っています。なかなか好評で、「すでに今年度の予算に申請が達したため助成を終了します」とありました。これは嬉しい悲鳴だと思います。レジ袋がなくなればごみ処理機が求められるようになるなど、環境が変われば求められることも変わってきます。そうした環境の変化に注視して、区には事業展開を進めていってもらいたいと考えています。
(令和元年度決算特別委員会)