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看護記録の選択式を作成していく話

前回のおさらい

看護記録システムのチェック式項目を選定していくために、過去の看護記録からよく使われるキーワードを見つける作業を行ってきました。前回でカテゴリーごとに名詞・動詞・形容詞の頻出単語をまとめることができました。今回からはまとめた単語から実際にチェック式の看護記録にするためにどんな様式でまとめていったかについて書いてみたいと思います。

チェック式看護記録のイメージ

これからチェック式の看護記録とするために法則を持った様式に落とし込んでいくのですが、その前に完成形をイメージして、それを実現するためにどのような様式であればいいのかを考えなければなりません。

完成形のイメージは図1の写真のようなイメージです。
必要な条件としては以下の3つを考えていました。
①単一選択、複数選択可、自由記述と選べること
②1つの選択式を選んだらその下にさらに別の選択式が出現する階層式であること
③選択式の回答や項目が削除や追加など途中で編集が可能なこと

①はたとえば、食事形態など答えが1つと決まっているものもあれば、処置方法など複数の回答を必要とするもの、そして本人の主訴や選択式がない「その他」など、自由記述が必要なものなどに対応する必要があります。
②は階層式にすることによって問題ない人は問題なしにチェックすれば終了次の項目へ、処置や経過など詳しく状態を書かなければならない場合は、階層を掘り下げて記録することができるようになります。
③は今回自然言語処理を用いて今までの看護記録からよく使用されている単語をピックアップすることはできましたが、それですべてがまかなえるわけではありません。実際に看護師さんに使ってもらい、そこで新たな選択式が欲しかったり、逆にこの選択式はほぼ使わないなどの要望がでてくると考えられます。

図1:看護記録の完成形イメージ


チェック式の看護記録とするための様式

チェック式の看護記録とするための様式に必要な条件がはっきりとしました。その条件をクリアするために作成した様式が図2です。

図2:

階層は第1階層から第5階層まで用意し、各階層ごとに
①階層様式
②質問
③回答様式
④回答選択肢
の項目としました。①階層様式で、まずその階層が複数の質問から成り立つのか、1つの質問しかないのかを指定します。複数質問項目があるのであれば「複数選択可」、1つの質問項目しかなければ「単一選択式」と記載し、それに応じてチェックが複数できるのか1つのみとなるのかを反映させます。そして②で質問内容を記載し、その質問に対する回答の方法を③回答様式で指定します。こちらは「複数選択可」「単一選択式」に加えフリーワードで記載できる「自由記述」のどれかを指定します。そしてその後に④回答の選択肢を記載していきます。

例:
①階層様式
複数選択可
②質問
2-1 現在の天気はなんですか?
2-2 現在の気温は何度ですか?
③回答様式
3-1 単一選択式
3-2 自由記述式
④回答選択肢
4-1 晴れ・くもり・雨・雪・みぞれ
4-2 自由記述


あとがき

今回は選択式の看護記録を作っていくためにまとめた様式について説明いたしました。ですがこれだけですと、いまいち選択式の看護記録のイメージに繋がらないかと思います。なので次回は実際の記録画面などもお見せしながらどのような看護記録となったのかについて書いていけたらと思います。

みなさんの「スキ」がとても励みになります。
本当にありがとうございます。
また良かったら次回もみてくれるとうれしいです。