完成した看護記録
前回のおさらい
今まで、チェック式で記録をすることができる看護記録システムの作成過程を連載してきました。前回は頻出単語をまとめたリストから実際にチェック式の看護記録にするためにどんな様式でまとめたかについてお話しました。今回はいよいよ完成した看護記録を紹介したいと思います。
看護記録の特徴1
今回開発した看護記録の特徴はなんといっても基本的に選択肢をチェックするだけで記録を終えられることです。看護記録の方法は働いてる場所や人によって違うかもしれませんが、みなとまちではSOAPという記述形式を推奨されていました。SOAPは
S:主観的情報
O:客観的情報
A:評価
P:計画・治療
で構成されており、今回開発した看護記録も主観的情報と、客観的情報そしてそれらからどんな治療を行ったのかをチェックで選択することができる様式となっています。
看護記録画面は以下の内容で構成されています。
◯状態チェック
・本人の状態
意識レベル・体温・血圧・脈拍・SpO2・呼吸数・血糖値・体重・疼痛
・生活リズム
◯ケア内容
整容・清拭・皮膚状態・入浴介助・洗顔・更衣・排泄介助・食事・嚥下・口腔ケア・服薬・呼吸・点滴・環境整備・マッサージ・リハビリ・エンゼルケア
◯申し送り
それぞれの項目ごとに本人の思っていること(S)、客観的にみたときの問題の有無(O・A)、問題があった場合の治療・処置(P)がセットになっていて、問題があった場合はどんな問題なのか、程度はどのくらいなのか、どのような対処をしたのかがチェック式で選択できるようになっています。また、本人が思っていることのSと、選択肢のところには「その他」の欄を設けており、そこは自由記述としているので、選択肢にない内容を記載したい場合も網羅できるようにしています。
そして、選択肢の内容はあとから追加したり削除したりが可能になっているので、看護師さんたちが使っていくなかで、「この選択肢があったらいいよね」「この選択肢は全然使わないね」といった意見に合わせてカスタマイズしていくことができます。
以下の写真は開発した看護記録の実際の記録画面です。
皮膚状態を記録するときの一例です。チェックをした選択肢の詳細が下に展開されていきます。この画面では、「S」にチェックを入れると自由記述をできる欄が出てくるのでそこにご利用者様が皮膚状態に関して発言したことなどを記入します。その後皮膚の問題が生じている部位を選択すると、そこからさらに部位の詳細選択、皮膚トラブル内容、程度、処置方法、皮膚トラブルの原因と、深堀りして選択していきます。
また、同じご利用者様の記録は前回コピーを選択することができ、同じ処置を継続しているときは変化したところだけ修正すればいいので、さらに記録を時短することができます。
あとがき
今回は開発した選択式看護記録の実際の画面を見ていただきました。どんな感じで記録を行っていくかイメージできたでしょうか?次回は看護記録のもう一つの特徴である、申し送り欄について書いていけたらと思います。
みなさんの「スキ」がとても励みになります。
本当にありがとうございます。
また良かったら次回もみてくれるとうれしいです。