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IT事業部としての最初の業務活動を決めていく話 後編


より働きやすくなるために必要なこと

前回の前編で、現場の看護師やリハビリの方にヒアリングしたところ、大きく
・毎日の看護記録(カルテ)に関する困りごと
・計画書、報告書作成業務に関する困りごと
・CMや主治医との情報共有に関する困りごと
・その他
のカテゴリに困りごとが分類されたことをお話しました。

今回は、たくさんある困りごとのなかで、何をITで解決していくことにしたかを、お話したいと思います。

さっそく結論を話していくと、
今回は毎日の看護記録に関する困りごとを解消していこうと考えました。

その理由はいくつかあるのですが、
毎日の業務で、1日に看護師一人あたり5〜7人ほどのご利用者の看護記録を書かなければいけないこと、
それに加え、ご利用様の状態を把握するのに記録の正確性が求められる看護記録は、業務量が多く重要度の高い為、効率化のパフォーマンスが高いからです。

ヒアリングしたときに看護記録に関する困りごとで得られた意見は
・記録に時間がかかる、大変
・みんな書き方や内容がバラバラ
・申し送りなどが埋もれてしまう
と、こんな感じでした。

私も文章を書くのが苦手で、1日に6人ほどの記録を書かなければいけないのは本当に大変でした。。
それに、あとから書こうとすると午前中に介入した方に関しては、思い出すところから始めなくてはいけないんです。
でも訪問中はそんなにしっかりと記録を書く時間は確保できない。
しっかり書こうとするとどんなに早くても1人あたり5分~10分ほど記録に時間を要してしまう。
その時間があるならリハビリをしていたいな、という気持ちでした。

なので、
私たちが思い描く理想の看護記録は
・簡単に書ける
・時間がかからない(介入しながら記載できるのが理想的)
・記録の形式や記載内容を統一できる
ということが分かりました。


訪問看護事業所、アプリ開発をする

さて、
・簡単に書ける
・時間がかからない
・記録の形式や記載内容を統一できる
という条件を満たすためには、今のやり方を変えていく必要がありました。

現在みなとまちで使っている訪問看護アプリでの看護記録では、
おおよそカテゴリ分けされており、行った看護内容などをチェック式で記載できるようになっています。
しかし、病態やケアの結果、ケアに至るまでの背景など、多くの事は自由記述で書かなければいけませんでした。

結局は、自由記述で書かなければいけない内容がほとんどとなってしまうため、看護師やリハビリの人が看護記録に時間を要する状態になってしまっています。

そこで、考えました!
自由記述だから書く時間も長くなってくるし、各々書く内容や書き方が違ってくるのだと。

看護内容だけでなく、ケアに至るまでの背景や、ご利用者様の状態変化なども含め、ほとんどの記載内容はチェック式でできるようにしてしまえばいいのだと。

最近は記録時間を効率化するために声で入力するものも出てきました。
声で入力することも考えてはみたのですが、
声のタイプは
①ある程度話す内容をまとめてから話さないといけない
②ご利用者様やご家族様の前では話せないこともありそう
という理由から今回は適切でないと思いました。

その点チェック式であれば、ケアが終わったタイミングなどで、その都度当てはまる状態にチェックすることができ、時間をかけずに記録することができます。

しかしチェック式で看護記録を行うことには問題点があり、
それは既出のサービスがないことです。

もし既出のサービスでチェック式があれば、そのサービスに変更する、
ということができますが、ないのであれば困ってしまいます。
ですがみなとまちの社長はシステム開発会社の社長でもありました。
「よし!アプリをみなとまちで作ってみよう!」

こうしてみなとまちIT事業部としての最初の取り組みは、
【チェック式での看護記録アプリを作ってみること】に決定したのです!!

アプリを作ることが決まったみなとまちですが、
みなとまちのIT事業部は現在2名のみですし、私もアプリ開発はできません。
なので、アプリを開発してくれるところにお願いをする必要がありました。

そうなってくると今度はお金の問題が出てきます。
訪問看護ステーションの売り上げからアプリ開発費用を出すわけにはいかないので、別の手段で費用を用意する必要がありました。

今回はだいぶ長くなってしまいました。
費用をどう用意していくかについては、次回お話していければとおもいます。
みなさんの「スキ」がとても励みになります。ありがとうございます。
また良かったら次回もみてください。
次回はこちらから↓