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不戦の集い
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2024年12月1日(日)
ここ数ヵ月お手伝いに行っているわだつみのこえ記念館(https://www.wadatsuminokoe.org/)の繋がりで、館が主催する「12・1 不戦の集い」というイベントのお手伝いをした。
会場は後楽園駅直結の文京区の施設、文京シビックホールの26階にあるホールで、スゴい景色だった(写真)。
美しい秋晴れで、富士山もよく見える(中央のビルの間)。
最近天気の良い日が続いていて、ちょくちょく富士山を見ているんだけども、その度に、あぁこの富士山の姿は昔の人が見たもの(例えば浮世絵に描かれた姿とか)と変わらないんだろうなぁ、霊性を感じるよなぁ、崇めるよなぁと思っていたんだけども、この26階からの姿は昔の人々は見れなかったものだろう。
謎にマウントを取ってしまう。
イベントは、学徒出陣の記録映画を上映して、中央大学で学徒出陣についてのリサーチとドキュメンタリーの作成をしているFLP松野ゼミの学生たちの発表と作品上映というプログラムだった。
毎年12月1日にやっているみたいで、なんで12月1日なのかと思ったら、学徒が陸軍に入営した、つまりは学徒出陣が実際に始まった日らしい。
無知だった。
僕はここにもよく登場している仏像研究者の山田くんと2人で受け付けをしていた。
受け付けとかの流れって、こっちは色々分かってるけど来る人は何も分かってないから、こちらの思ってるようには来た人が反応してくれなくて混乱を招くものなんだなぁと実感した。
美術館の空間デザインに興味があるので、こういう場でのスムーズな人の流れなんかにも興味があることに気付く。
至る所に学びアリ。
戦争とかのイベントとかやるとちょっと困った人が来る・・・と聞いていたけど、早速受け付けで、マイナンバーカードは徴兵制に繋がるものだから気を付けろと忠言を受けた。
まぁ確かに可能性は否定出来ないけど、でも今兵士を集めるなら、徴兵制みたいな、憲法に違反してまで使えない人も含めて集める制度より、政治思想的に兵士になってくれそうで年齢・健康状態的にもふさわしい人に対して「あなたの力が必要です!」ってネットの広告打つ方がベターじゃねって話を山田くんに語った。
ちょうどテレビのCMよりも、その人から集めた情報を元にして、よりその人の興味関心に合ったアピールが出来るネットのターゲット広告の方が効果的なのと同じように。
というのがまぁ幼少期からネットに漬かってきたゆとり世代の印象。
仮に日本も戦争になって、国から僕にターゲット広告が打たれるなら、どんな広告が出るんだろうな。
イベントは充実していて、参加出来て良かった。
学徒出陣の記録映画では有名な神宮外苑の壮行会の様子と、すさまじい天皇陛下万歳の連呼を聞いて、体が固まった。
中央大学の学生たちのドキュメンタリーは想像を遥かに上回るクオリティで見入った。
作品はFLP松野ゼミのYouTubeチャンネルでも公開されているので是非見て頂きたい(https://www.youtube.com/channel/UCUG-MvBfoYIZQ0m7wNpa-DA)。
特に、鹿児島の離島に不時着した特攻兵と離島の人々の交流を、その物語を演劇で伝える現役の高校生の取り組みと重ねて描いた作品(https://youtu.be/NqHfl1Hd0tE?si=94FmqebhTHfsyfKd)と、戦時中は日本軍だったのに、敗戦と共に中国人として戦勝国の人間となった台湾人の方の青春の悲劇とその後の人生を追った作品(https://youtu.be/TFpOWRusuTE?si=UGJ_2cG5N8U25M93)は、強く記憶に残った。
多くの方に見て頂きたいと思う。
イベントが終わり、片付けをして、打ち上げに誘われたけど、すみませんと頭を下げて、目黒へ。
今日までの時吉あきなさんの個展「with you」を見た。
ハーハフーというペットの写真を撮影してくれるスタジオで開かれていた(https://www.instagram.com/ha_ha_hu_v/)。
時吉さんの今回の作品は、ペットの写真をコラージュして立体にしたもの。
色んな人の色んなペット(犬や猫からハムスターやインコまで)の作品が壁いっぱいにあった。
特に実物大の作品は、写真を使っていることもあって、独特の湿り気と言うか、単なる紙に印刷したペットの姿とは違う質感と重量感を感じて面白かった。
そのお陰で、自分のペットじゃないんだけども、不思議な愛着を覚えた。
自分のペットならどんな気持ちになるんだろう?
また時吉さんに作品のことを色々聞いてみたい。
あっという間に一日も終わる。
身内の訃報を聞く。
自分の人生、いや、こんな日々もいつまで続くのか。
しばらく慌ただしくなる。
自分にしかできないことがある。
もつ焼きともつ鍋を食べて帰った。