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リバースプロキシがあれば、SNATは不要?

ネットワークの設定を考えるとき、リバースプロキシがあればSNATは基本的に不要と思いがちですが、「本当に必要ない?」と迷う場面もあるかもしれません。実際には状況によってはSNATが必要になるケースもあります。今回は、リバースプロキシとSNATの役割、それぞれが必要になる場面を整理してみます。


リバースプロキシとSNAT、それぞれの役割

リバースプロキシって何?

リバースプロキシは、外部のクライアントと内部サーバーの間に立ち、以下のような役割を果たします:

  • クライアントからのリクエストを内部サーバーに転送する。

  • 内部サーバーのIPアドレスを隠す。

たとえば、Webサーバーの前にNginxやApacheをリバースプロキシとして配置すると、外部からはリバースプロキシのIPアドレスしか見えません。内部構成を隠しつつ、クライアントとの通信を効率よく管理できます。

SNATって何?

一方、SNAT(送信元ネットワークアドレス変換)は以下のような場面で使われます:

  • 内部ネットワークから外部ネットワークへ通信を行うときに送信元IPを変換する。

  • プライベートIPアドレスを外部に公開するためにグローバルIPアドレスに変換する。

たとえば、内部のサーバーが外部APIやサービスにリクエストを送る場合、送信元IPが変換されることで通信が可能になります。


リバースプロキシがあればSNATが不要な理由

リバースプロキシがある環境では、SNATを使う必要がないことが多いです。その理由を見ていきましょう。

  1. リクエストの送信元IPがリバースプロキシになる
    クライアントはリバースプロキシを通じてリクエストを送るため、内部サーバーから見える送信元IPはリバースプロキシのものになります。これにより、内部サーバーのIPを隠すためのSNATは不要です。

  2. 外部通信をリバースプロキシが一元管理
    外部との通信はすべてリバースプロキシを通じて行われるため、内部サーバーのIPが直接外部に露出することはありません。


それでもSNATが必要になる場面

リバースプロキシがあっても、以下のような場合にはSNATが必要になることがあります。

  1. 内部サーバーから外部に直接通信する場合
    内部サーバーが外部のAPIやサービスに直接アクセスする際には、SNATで送信元IPを変換する必要があります。
    例:内部サーバーが外部のパッケージリポジトリに接続する場合。

  2. クライアントIPを内部サーバーに伝える必要がある場合
    クライアントのIPアドレスを内部サーバーに伝える必要があるとき、リバースプロキシは通常、X-Forwarded-ForヘッダーにIPを記録します。しかし、内部サーバーがこのヘッダーを認識しない場合はSNATを使うことがあります。

  3. ロードバランサーやNATゲートウェイの影響
    リバースプロキシの前にロードバランサーやNATゲートウェイがある場合、それらがSNATを行い、送信元IPを統一するケースもあります。


まとめ

  • リバースプロキシがある環境では、基本的にSNATは不要。
    リバースプロキシが内部サーバーのIPを隠し、外部通信を一元管理してくれます。

  • 例外的にSNATが必要なケースもある。
    内部サーバーが外部と直接通信するときや、特別な要件がある場合にはSNATを併用します。

リバースプロキシとSNATの使い分けを理解しておけば、ネットワーク設計やトラブルシューティングの際にもスムーズに対応できます。

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