Trivy があれば Kubesec は不要?用途に応じた使い分けがベスト
Kubernetes のセキュリティチェックをするなら、Trivy と Kubesec という2つのツールがよく使われます。でも、「Trivy があれば Kubesec はいらない?」と思う人もいるかもしれません。
結論からいうと、用途が異なるため両方を併用するのがベスト です。どちらを使うべきか、特徴を比較しながら整理していきます!
🎯 Trivy と Kubesec の違い
この2つのツールは、Kubernetes のセキュリティをチェックする点では共通していますが、できることが異なります。
Kubesec の特徴
Kubernetes マニフェスト(YAML)のセキュリティチェックに特化
securityContext の設定が適切かをチェック
runAsNonRoot や capabilities.drop などのベストプラクティスを評価
スコア(score)を算出してリスクを数値化
コンテナイメージの脆弱性(CVE)スキャンはできない
Trivy の特徴
コンテナイメージの脆弱性スキャン(CVEチェック)ができる
Kubernetes マニフェストのセキュリティチェックも可能
Terraform や Helm などの IaC(Infrastructure as Code)もスキャン可能
マニフェストごとのスコア算出はなし
つまり、Kubesec は Kubernetes マニフェスト専用、Trivy はマニフェストも含めた総合的なセキュリティチェックが可能 という違いがあります。
✅ Trivy だけで十分な場合
次のようなケースでは Trivy だけで OK です。
(1) コンテナイメージの脆弱性スキャンもしたい
(2) Kubernetes マニフェストのチェックをまとめて実施したい
(3) Terraform, Helm などの IaC もスキャンしたい
(4) CI/CD に統合してセキュリティチェックを自動化したい
例えば、Kubernetes マニフェストのセキュリティスキャンは次のコマンドで実行できます。
trivy config --exit-code 1 --severity HIGH,CRITICAL deployment.yaml
これで、重大なセキュリティリスク(HIGH, CRITICAL)がある場合は exit code 1 で終了 するため、CI/CD パイプラインでエラーとして検出できます。
Trivy はコンテナイメージの脆弱性スキャンも含めてチェックできるので、広範囲なセキュリティ対策が必要なら Trivy 1つで十分でしょう。
🚀 Kubesec を使うべき場合
Trivy のほうが万能ですが、Kubesec を使ったほうが良いケースもあります。
(1) セキュリティスコアを数値で確認したい
(2) securityContext の細かい設定を重点的にチェックしたい
(3) 軽量なツールを使いたい(Trivy はデータベースをダウンロードするため少し重い)
(4) JSON 形式のシンプルな出力が欲しい
特に、securityContext の設定が適切かをチェックするなら Kubesec が便利です。例えば、次のコマンドで YAML の評価を行えます。
kubesec scan deployment.yaml
これにより、マニフェストの各設定がどのように評価されているかをスコア付きで確認できます。
🎯 結論:Trivy のほうが汎用性が高いが、場合によっては Kubesec も使う
最後に、どちらを選ぶべきかをまとめます。
Trivy をメインで使うべき理由
コンテナイメージの脆弱性スキャンができる
Kubernetes マニフェストのセキュリティチェックも可能
IaC(Terraform, Helm など)もスキャンできる
CI/CD に統合しやすい
これ1つで幅広いセキュリティチェックが可能
Kubesec を併用する理由
Kubernetes マニフェストの細かいスコアリングが見たい
軽量で素早くマニフェストをチェックしたい
securityContext の設定を重点的に確認したい
つまり、基本は Trivy を使い、Kubernetes マニフェストの詳細なスコアを見たい場合に Kubesec を併用するのがベスト です。
セキュリティ対策は抜け漏れがないようにするのが重要。用途に応じて使い分けて、Kubernetes の安全性を高めましょう! 🚀