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データが消えたらどうする?スナップショットとバックアップで備える安心の復旧術

日々の業務で扱う大切なデータ、万が一消えてしまったらと考えるだけで不安になりますよね。特にRDS(リレーショナルデータベース)のように日々更新されるデータでは、障害時にどう対応するか事前に考えておくことが重要です。そんな時に頼れるのが「スナップショット」と「バックアップ」。それぞれ役割が異なり、復旧の方法も異なります。この記事では、具体的な例を挙げてこの2つの違いと使いどころを整理してみます。
「スナップショット」と「バックアップ」の違いって、意外と忘れることが多いですよね,,,


スナップショットとバックアップ、何が違うの?

簡単に言えば、「スナップショット」は特定の時点の完全なコピーを保存するもので、「バックアップ」は過去のデータを一定期間さかのぼれる仕組みです。どちらもデータ消失時に復旧を助けてくれますが、その目的や特性は少し違います。


具体的なシナリオで考えてみよう

例えば、あなたが毎日1つのデータを追加するRDSを使っているとします。40日間運用してきたところで、突然障害が発生したケースを考えてみましょう。

  • スナップショット: 毎日1つ作成し、1日目から40日目まで全ての状態を保存している。

  • バックアップ:  保存期間が35日間のため、40日目の時点では6日目から40日目までのデータが保存されています。一方で、保存期間を超えた1日目から5日目のデータはバックアップから削除されており、復元することができません。

ここで、どのように復旧できるかを見てみます。


スナップショットを使った復旧

活用シーン

特定の日の状態を完全に復元したい場合に最適です。例えば、40日目のデータ(最新のデータ)が消えてしまったとしても、40日目のスナップショットがあれば全てのデータをその時点に戻すことができます。

具体例

  • 障害が発生した時
    40日目のスナップショットを選択し、新しいRDSインスタンスを作成します。これにより、40日目時点のデータが全て復元され、すぐに業務を再開できます。

  • 長期間保持が必要な場合
    例えば、1日目や5日目の古いデータに戻したい時、スナップショットがあればその時点のデータ状態を再現可能です。

ポイント

  • スナップショットは特定の時点の完全なコピーを保存するため、障害発生時の復旧精度が高いです。

  • ただし、保存間隔が長い場合(例: 毎週1回の作成)では、最新のデータが復元できない可能性があります。


バックアップを使った復旧

活用シーン

バックアップは「障害直前」のデータ復元に特化しています。例えば、障害発生時点の数分前に戻したい場合、ポイントインタイムリカバリ(PITR)という機能を使って、その状態を再現できます。

具体例

  • 障害直前のデータを復元したい時
    40日目の障害が10:00に発生した場合、9:59時点のデータ状態に戻すことができます。

  • 保存期間内でのデータ復元
    例えば、30日目のデータが必要であれば、保存期間(35日以内)のためバックアップから復元可能です。

ポイント

  • バックアップは保存期間内であれば、どの時点のデータにも戻ることができます。

  • 一方で、保存期間を過ぎた古いデータ(1日目~5日目など)は復元できないため、長期間保存には不向きです。


併用することで安心感がアップ!

スナップショットとバックアップは、それぞれの強みを活かして併用することで、障害時の柔軟な対応が可能になります。

具体例

  1. 障害直前の状態をまず復元
    → バックアップで最新データを復元し、すぐに業務を再開。

  2. 障害の原因を分析・検証
    → スナップショットを使い、障害が発生する前後のデータを比較。

  3. 長期間保存が必要なデータの確認
    → 古いデータ(1日目や5日目)をスナップショットから取り出して検証。


スナップショットとバックアップ、こんな人におすすめ

  • スナップショット

    • 長期間データを保存したい方。

    • 過去の特定の日付のデータを参照する必要がある場合。

  • バックアップ

    • 障害直前の最新データを重視する方。

    • データの保存期間が限られていても問題ない場合。

どちらか一方だけでも便利ですが、組み合わせて使うことでさらに安心してデータ管理ができます。


最後に

データの消失は誰にでも起こり得るリスクですが、スナップショットとバックアップを上手に活用することで、障害が発生しても柔軟に対応できます。特に大切なデータは「バックアップで最新を守り、スナップショットで過去を守る」という考え方で準備しておくと、より安心です。

日頃からの備えが、万が一の時にあなたを助けてくれるはずです!

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