FQDN、DNS名、ドメイン名の違いは?
インターネット上でサーバーやサービスを識別するための名前には、FQDN、DNS名、ドメイン名といった用語が登場します。一見似たような言葉ですが、それぞれ意味や役割が異なります。この記事では、それぞれの違いを整理しながらまとめていきます。
FQDN(完全修飾ドメイン名)
FQDN(Fully Qualified Domain Name)とは、インターネット上でホストを一意に特定するための完全な名前のことです。具体的には、ホスト名、ドメイン名、トップレベルドメイン(TLD)をすべて含む構成になっています。
例えば、`www.example.com.` がFQDNの例です。このように、FQDNは最後にルートドメイン(`.`)を含めることで完全な形式を表します(省略されることもあります)。
日常生活で例えるなら、FQDNは「東京都新宿区西新宿2丁目8-1 東京都庁第1本庁舎」といったフルアドレスに相当します。これによって、特定の建物や場所を一意に識別できるようになります。
DNS名
DNS名(Domain Name System 名)は、インターネット上の名前全般を指します。FQDNもDNS名の一種ですが、必ずしも完全な名前(FQDN)である必要はありません。たとえば、`www.example.com` や `mail.example.com` もDNS名に含まれます。
DNS名は、郵便物の宛名に例えると分かりやすいかもしれません。「東京都庁」や「東京都新宿区西新宿2丁目8-1」など、さまざまなレベルの名前が含まれるのが特徴です。具体的な建物や場所を特定する場合もあれば、広い範囲を指すこともあります。
ドメイン名
ドメイン名は、インターネット上で組織やサービスの名前を示す部分のことです。FQDNからホスト名を除いた部分がドメイン名に該当します。たとえば、`example.com` がそれにあたります。
ドメイン名は特定のホストやサーバーを指すわけではありませんが、トップレベルドメイン(TLD)を含む名前で組織やサービスを識別します。郵便物で言えば「東京都新宿区西新宿2丁目8-1」といった住所に似ていますが、建物名や部屋番号は含まれていない点が特徴です。
まとめ
FQDN、DNS名、ドメイン名は、それぞれの役割が明確に異なります。
FQDN: ホストを完全に特定するための名前。すべての要素が含まれている。
DNS名: DNSで扱われる名前全般。FQDNも含む広い概念。
ドメイン名: 組織やサービスの名前を指す部分。ホスト名は含まれない。
これらを正しく理解することで、インターネット上の名前の仕組みがよりクリアになります。次回、FQDNを設定する機会があれば、自分の扱っている名前がどのカテゴリーに属するのかを意識してみてください。