Argo WorkflowsとArgo CDの違いって?用途に合わせた使い分け方
Kubernetesを活用していると、CI/CDパイプラインやアプリのデプロイをもっとスマートにしたくなりますよね。そんなときに登場するのがArgo WorkflowsとArgo CD。どちらもArgoプロジェクトの一部ですが、役割が異なります。
「どっちを使えばいいの?」と迷っているなら、それぞれの特徴を知っておくとスッキリ整理できますよ。
🔹 Argo Workflows:ジョブの自動化に強い
Argo Workflowsは、ワークフローを自動で実行・管理するためのツール です。Kubernetes上で動作し、複数のタスクを順番に、または並列に実行できます。
💡 どんなときに使う?
例えば、データ分析や機械学習のパイプラインを考えてみましょう。
データを取得(APIやデータベースから情報を取得)
前処理(不要なデータをフィルタリング)
AIモデルで分析(機械学習を実行)
結果を保存(S3などのストレージにアップロード)
この一連の流れを自動で実行したいときに役立つのがArgo Workflowsです。
📌 主な特徴
Kubernetes上で実行されるワークフローエンジン
バッチ処理やデータパイプラインに最適
DAG(有向非巡回グラフ)を使い、タスクを順番・並列に実行可能
GitHub ActionsのようなCI/CDジョブ、データ処理、機械学習トレーニングなどに活用できる
イメージとしては、工場の生産ライン のようなもの。
それぞれの工程(タスク)が決まった順番で動いて、最後に製品(結果)ができあがる仕組みです。
🔹 Argo CD:GitOpsによるKubernetesの継続的デプロイ
Argo CDは、KubernetesのリソースをGitリポジトリと同期 するためのツールです。いわゆるGitOpsを実現し、Kubernetesの状態をGitで管理することができます。
💡 どんなときに使う?
例えば、アプリのデプロイを考えてみましょう。
GitHubで deployment.yaml を変更(新しいバージョンに更新)
Argo CDが変更を検知してKubernetesに適用
最新のアプリケーションが自動でデプロイされる
こういった流れで、手動のデプロイ作業を減らし、ミスを防ぐことができます。
📌 主な特徴
Gitリポジトリの状態をKubernetesに適用(GitOps)
HelmやKustomizeとも統合可能
Gitリポジトリを変更すると、自動でKubernetesの状態も更新
イメージとしては、物流管理システム のようなもの。
倉庫(Git)にある最新の商品リスト(設定)をもとに、物流(Kubernetes)が自動で動いて、店舗(クラスタ)に最新の在庫を補充するイメージです。
🎯 Argo WorkflowsとArgo CDの違い
この2つのツールは用途が異なるため、選ぶ際には以下のポイントを基準に考えるとわかりやすいです。
(1) 目的
Argo Workflows は、データ処理やCI/CDパイプラインなど、ジョブを自動で管理・実行 するためのツール
Argo CD は、KubernetesのリソースをGitの状態と同期し、継続的にデプロイ するためのツール
(2) 活用シーン
Argo Workflows → バッチ処理、データパイプライン、機械学習のトレーニング
Argo CD → Kubernetesアプリのデプロイや管理
(3) 管理対象
Argo Workflows は、ジョブやタスクの実行を管理
Argo CD は、Kubernetesのリソース(DeploymentやServiceなど)を管理
(4) Gitとの関係
Argo Workflows は、Gitを必須としない(独立したワークフロー管理が可能)
Argo CD は、Gitリポジトリと連携してKubernetesを自動管理
🔗 CI/CDでの使い分け
もしCI/CDパイプラインをArgoで構築 するなら、
CI(Continuous Integration) → Argo Workflows(テストやビルドの自動実行)
CD(Continuous Delivery) → Argo CD(最新のアプリをKubernetesへデプロイ)
このように組み合わせるのがベスト。
✅ まとめ
データパイプラインやジョブの自動化なら Argo Workflows
KubernetesのデプロイをGitOpsで管理したいなら Argo CD
CI/CDパイプラインなら両方組み合わせるのもアリ!
どっちを使うか迷っているなら、具体的な用途を考えてみると決めやすくなりますよ!😊