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ip link add コマンドで利用できる type オプションの種類


`ip link add`コマンドを使うと、仮想サーバー間にさまざまな接続を仮想的に追加できます。これにより、テスト環境の構築や仮想サーバー同士の通信設定が柔軟に行えます。それぞれの接続タイプとその用途について詳しく見ていきましょう。


1. veth (Virtual Ethernet)

  • 概要: Virtual Ethernet(仮想イーサネット)の略で、2つの仮想サーバーをペアで作成し、片方で受信したデータをもう片方に送信するように設定されます。

  • 用途: コンテナや仮想サーバーがホストと通信できるようにするために使われます。1つの接続をホストに、もう1つをコンテナや仮想サーバーに接続することで、両者の間でデータのやり取りが可能になります。


2. bridge

  • 概要: bridgeは複数の仮想サーバーを1つのグループとしてまとめ、同じグループ内のサーバー同士が通信できるようにします。

  • 用途: 同じbridgeに接続された仮想サーバー間でデータのやり取りを可能にし、共通の通信環境を提供します。


3. bond

  • 概要: bondは、複数の接続を1つに束ねて動作させる機能です。これにより、負荷分散や冗長化が可能になります。

  • 用途: サーバー接続の冗長化や速度向上のために使用され、複数の物理接続を1つにまとめて効率的に管理できます。


4. macvlan

  • 概要: macvlanは、新しいMACアドレスを持つ仮想サーバーの接続を作成し、1つの物理接続から複数の仮想サーバーが同時に通信できるようにします。

  • 用途: 各仮想サーバーが異なるMACアドレスを持って物理ネットワークに直接アクセスする必要がある場合に使用されます。


5. ipvlan

  • 概要: ipvlanはmacvlanに似ていますが、MACアドレスを共有し、異なるIPアドレスで通信を分離する機能を持ちます。

  • 用途: 同じMACアドレスを持たせる必要がある場合や、IPアドレスでサーバー同士の通信を分けたいときに便利です。


6. dummy

  • 概要: dummyは、データの送受信を行わない仮想的なサーバーの接続です。

  • 用途: 特定のIPアドレスを仮想サーバーに割り当てたり、テスト目的の仮想的な接続として利用されます。


7. ifb (Intermediate Functional Block)

  • 概要: ifbは、受信側のデータを制御するための仮想接続ポイントで、データの流れを調整できます。

  • 用途: データの流れを制御する「トラフィックシェーピング」に使用され、受信データの管理に役立ちます。


8. can (Controller Area Network)

  • 概要: canは、CANバスプロトコルを使用するための仮想接続です。

  • 用途: 自動車の組み込みシステムで使われる通信プロトコルをテストする際に利用されます。


まとめ

このように、`ip link add`コマンドの`type`オプションにはさまざまな種類があり、用途に応じて異なる仮想サーバーの接続を作成できます。目的に合った接続タイプを選んで、柔軟で効率的な通信環境を構築してみましょう。

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