
/run/containerd とは? Kubernetes におけるコンテナランタイムの役割
Kubernetes を使ってコンテナを管理しているとき、/run/containerd というディレクトリがよく登場します。でも、このディレクトリが一体何をしているのか、どんな役割があるのか、意外と知らない方も多いかもしれません。今回は、Kubernetes 環境で重要な役割を果たしているこのディレクトリについて、整理していきましょう!
まずはコンテナランタイムの話から
Kubernetes でコンテナを実行するためには、コンテナランタイムというものが必要です。言い換えれば、Kubernetes はコンテナを使ってアプリケーションを動かすための「道具」を持っているわけですが、その道具の一つが containerd です。containerd は、コンテナの実行や管理に関わる低レベルな操作を担当していて、Kubernetes ではよく使われています。
もし、コンテナランタイムがないと、Kubernetes はコンテナを起動したり、状態を管理したりすることができません。そのため、containerd は Kubernetes のバックエンドで重要な役割を果たしているわけです。
/run/containerd の中身
では、/run/containerd というディレクトリは、具体的にどんな役割を持っているのでしょうか?
コンテナの実行情報を保持する場所
/run/containerd は、コンテナの状態や実行情報を保存する場所です。たとえば、コンテナの実行中に必要なメタデータ(コンテナIDやその状態)、エラーログなどが格納されます。言い換えれば、コンテナの「現在の状況」を記録している場所です。一時的なデータの保存先
/run 自体が一時的なデータストレージとして使われる領域であるため、/run/containerd に格納されるデータもシステムが動いている間にのみ存在し、システムを再起動すると内容は消えてしまいます。つまり、このディレクトリは、コンテナが実行中に必要な一時的な情報を保存するための場所として利用されるわけです。
containerd のファイル構成
/run/containerd の中には、いくつかのサブディレクトリやファイルが存在します。環境によって多少異なりますが、典型的な例としては以下のようなものがあります。
/run/containerd/io.containerd.runtime.v1.linux
ここには、実際にコンテナを実行するための情報が格納されます。たとえば、コンテナごとのリソース情報や状態、実行中のプロセスの情報などが保存されます。/run/containerd/containerd.sock
containerd のソケットファイルです。これを通じて、Kubernetes と containerd は通信を行います。言うなれば、Kubernetes が containerd と会話をするための「電話線」みたいなものですね。
Kubernetes と containerd の関係
Kubernetes を使っていると、コンテナの管理は containerd に任されていると言っても過言ではありません。Kubernetes の Kubelet というコンポーネントが、containerd と通信してコンテナを起動したり、停止したり、リソースを管理したりします。言い換えれば、Kubernetes がコンテナを操作するための手段として、containerd が活躍しているというわけです。
また、containerd はコンテナの実行だけでなく、イメージの管理やログ、リソースの制御なども担当します。Kubernetes としては、これらすべてを containerd に任せることで、コンテナの管理がスムーズに行えるわけです。
/run/containerd が見当たらないとき
もし、/run/containerd が見つからない場合は、containerd が正しくインストールされていないか、起動していない可能性があります。そんな時は、次のコマンドで containerd の状態を確認できます。
sudo systemctl status containerd
もし containerd がインストールされていない場合は、インストール作業を行う必要があります。これがないと、Kubernetes でコンテナを動かすことができないので、注意が必要です。
まとめ
/run/containerd は、Kubernetes が利用するコンテナランタイムの一つである containerd の一時的な作業ディレクトリです。ここには、コンテナの実行情報やメタデータ、状態が保存され、Kubernetes がコンテナを管理するために必要な情報がやり取りされています。システムが再起動されると、このデータは消えてしまいますが、その一時的な役割が重要なのです。
もし /run/containerd が存在しない場合は、containerd のインストールや設定が正しいかを確認しましょう。