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訪問診療医が考えるノロウイルス対策



寒い季節になると増加する感染症。冬に起こる食中毒のうち約8割はノロウイルスによるものといわれています。
目の前の患者さんが消化器症状を訴えた時、あなたはどう対応しますか?
今回は訪問診療の消化器内科医が在宅医療に携わる看護師に、ノロウイルス発症時のポイントを紹介します。




ノロウイルスとは

ノロウイルスは非常に強い感染力をもっています。ノロウイルスの蓄積している食品(牡蠣などの二枚貝)を摂取することや、
ノロウイルスが付着した手で調理をし、食品にノロウイルスが付着することで感染が広がっていきます。
潜伏期間は24時間から48時間。
主な症状は嘔吐・下痢・腹痛・37℃~38℃の発熱です。
通常は症状が1~2日続いて治癒しますが、持病のある方や乳幼児、高齢者は症状が重症化するケースがあるので注意が必要です。


ノロウイルスが発症した時の対応

①感染対策

ノロウイルスは感染力が強いので、容易に感染が拡大していきます。
ノロウイルス感染の可能性がある患者さんの看護をするときは、マスク・手袋・袖まであるガウンを装着。また、聴診器や接触型の体温計は他患者と共有しないようにしてください。
看護師がきちんと感染予防対策をして感染を広げないように心がけましょう。

➁症状の観察と報告

嘔吐や下痢・腹痛の症状がある場合は、その程度を注意深く観察しましょう。症状によっては、投薬や補液、速やかな病院受診が必要な場合があります。症状が強ければ遠慮せず訪問診療医に報告をして下さい。

③感染予防指導

ノロウイルスはアルコール消毒では効果がありません。
消毒をする場合は、塩素系の漂白剤の使用を勧めましょう。
また、感染の可能性があるときは食器やリネン、タオルなどの共有は中止し、こまめな手洗いを患者さんやそのご家族に指導してください。


まとめ

ノロウイルス発症時の対応方法はご理解いただけたでしょうか?
感染を拡大させないためにも正しい感染予防行動をし、症状の観察を続けてください。
これから冬本番。在宅環境で生活する患者さんを医療の力で一緒に支えていきましょう。




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