僕の小規模な退職 その11
毎日続いた出勤の日々も終わる。
このタイミングで朝のルーティンでも振り返ってみようじゃないか。
いつの日かの自分に見せる備忘録である。
朝のルーティン。
毎朝6時半頃起床。
布団の中目覚ましアラームの解除ついでにスマホでポイ活。
ついでにニュースアプリやSNSを見て…おっといかんいかん出勤準備をしなくては。(ここまで15分程)
軽くストレッチをしたのちトイレで排便。
トイレの中でもスマホをポチポチ…おっといかんいかん早く出勤準備をしなくては(ここまで15分程)
あっという間に7時を過ぎる。
洗顔を済ませたら妻と一緒に朝ごはんの支度とお弁当の準備。
自分は卵焼作りとお茶を煎れるのが担当だ。
週に何度かは冷蔵庫で育てているぬか漬けも担当する。
今日見た夢の話とか昨夜に言いそびれた話題などを話しながら卵焼きを作る。
毎日食べようと買っている納豆を冷蔵庫から取り出したり、現在時刻を鑑みて「かき回す時間が無いな」と冷蔵庫に戻したり、煎れたお茶を水筒に入れる際に勢い余して溢したり、そうこうしているうちになんだかんだで7時半を超える。
もちろん時間があれば納豆は食卓に並ぶしお茶を溢すのは毎日では無い。
NHKのニュースを片目に朝ごはんのモグモグタイム。
食べ終えていない妻を尻目に台所に向かい食器を洗う。
ついでにやかんを火にかけて湯を沸かす。
コーヒーを煎れるためだ。
食べ終えた妻が「追加戦士」と言いながらシンクに食器を入れてくる。
僕は無心で食器を洗うだけだ。
食器を全て洗い終え布巾でシンク周りの水気を拭き取る。
炊飯ジャーの電源がオフになっていること、コンロの火が消えているのを確認。「ヨシっ」
ゴミの日にはゴミ出しの準備もする。
ゴミ箱から取り出し行政が指定している袋に入れて口を縛る。
これでもかといったくらいに圧縮して入れる。
これはさすがに小さいだろ〜と思われるようなサイズの袋に詰め込むのが特技の一つだ。
テレビではおはよう日本のローカル局帯から朝ドラへと進行している。
洗面所に向かい歯を磨く。
なるべく妻の動作を邪魔しないようにと思いながら邪魔をする。
整髪料で髪もセット。
ワックスを手に取り髪をチャッとして終わり。
どうせ風で崩れる。
耳で朝ドラを感じながら服を着替える。
「何着たらいいか分からない〜ぷりぷり」とか言いながらいつもの定番の服装にしてお茶を濁す。
別に定番の服装ってわけでもない。
自分では面白味も無いなって感じながらも、職場で冒険する必要も無いとも思い、いつもと同じ組み合わせで無難な服装にする。
煎れたコーヒーで一息つきたいところだけど時間も無いので一気飲み。
そんなこんなしているとテレビではあさイチが始まり朝ドラ受けからゲスト紹介に進行している8時20分頃。
テレビを消して妻と一緒に家を出る。
とその前にもう一度コンロの確認「ヨシっ」
部屋の消灯「ヨシっ」
施錠確認「ヨシっ」
ハンカチ「ヨシ…良く無しっ」
こんなルーティンだ。
退社したあとのお前(俺)、どうだ。
思い出したか?
それとも今もあんまり変わらないか?
44歳。推定無職。本日、最終出社日。