【見習い日記⑬】 それ行けノリさん事件簿3
さて今日も我らがノリさんのド天然エピソードを共有しよう。ノリさんを知らないという方は前回こういう事件を紹介しているので↓↓↓に目を通して段取りして欲しい。
これは徒然草の中の有名な一節である。
簡単に説明すると、仁和寺の法師がまだ石清水八幡神社にお参りしたことが無かったので、ある日思い立ってお参りに行った。山へぞろぞろ上がっていく人達を見て「何かあるのかな?」と思ったものの、参拝することが目的なので山の上までは行かなかった。しかし実際は山の上にあるのが石清水八幡神社であり、その法師が参拝したのは手前にある別の神社だった。ちょっとしたことにも指導者や案内人が必要なんよな…という話である。
④それ行けノリさん お花見ドライブ事件
ノリさんは社内ではおしどり夫婦として有名だ。
休日は奥様とドライブしたり温泉に行ったりご飯を食べに行ったりと色々な場所へ出かける。本人は「尻に敷かれているだけ」と言うが、ノリさんを尻に敷くにはかなりの忍耐力とマネジメント力が必要である。なぜならド天然であるがために行動が斜め上をいってしまい予測不能だからだ。奥様の能力の高さが窺える。
先日はバックで駐車しようと顔を窓から出して後退させていたが、そのままフェンスにコツンと当ててしまった。車でコツンとやる中であれほどのソフトタッチは見たことがない。全く音もしないほどのソフトタッチであった。運転技術の高さは見て取れたものの、いったい顔を出して何を見ていたのだろうか?ノリさんをマネジメントすることは非常に面倒である。
山奥の秘境にある温泉に夫婦で行ったそうだが、あと一歩のところで引き返したらしい。聞けばお腹がすいたので諦めて、帰りにラーメンを食べて帰ってきたそうだ。ボクの知る限り目的の温泉まであと20分程度だったはずだ。1時間半ほどかけたのに、あと20分が我慢できなかったのだ。オケラかな?とボクに冷静にツッコまれたことは言うまでもない。
おっといけない、ノリさんエピソードを語るとキリがないので、お花見ドライブの話に戻そう。
鹿児島にも各地に桜の名所はたくさんある。その中でも山の上に桜が咲き誇る 地元では有名な公園がある。頂上付近が公園になっていて、駐車場も完備している。しかし当然ながら花見客は多い。車も渋滞するほどだ。
そこへノリさん夫婦は初めてやってきた。ご飯→温泉という鉄板コースの途中に桜を見ようという算段であった。山上の公園のすぐ横に駐車場があるのは知っていたそうだ。もちろんすでに車の列が出来ていた。公園の下の方にも第2,第3駐車場があるのだがけっこう歩くので、ノリさんはそのまま車列の最後尾に並ぶことを選択した。
車内からも満開の桜が良く見える。家族連れやカップルなどが歩いて公園に向かっていた。「よく歩くなぁ…。10分くらいはかかるのになぁ…。そのうち入れるだろう。」ノリさんはこう思ったそうだ。
しかし、ここでノリさんの悪いクセが出てしまう。そう、お腹がすいたのだ。こうなると桜どころではない。
「20分以上は待ったんですが、全然進まなかったんですよ。」と、ノリさん。
続けてこう言った。
「もう、我慢できなくて、車内から桜も見られたし公園まで上がらなくても良いかなぁって思ったんです。」
本来の目的はご飯と温泉であって、桜はただの通過地点だ。まさに仁和寺の法師状態である。
「え!?折角行ったのに上まで上がらずに帰ってきたんですか?」
あのオケラのノリさんの再来である。
「家内もそれで良いって言うんで、Uターンしようとしたんですね、そしたら…。」
非常に嫌な予感がする。ノリさんとは長い付き合いだ。表情を見れば分かる。
「まさか、上の駐車場は歩行者天国的な感じで閉鎖されてたとかじゃないですよね?」
「少しのことにも、先達はあらまほしきことなり。」
山上への道沿いに交通誘導などはいなかったのだろうか?ノリさんでなくてもこれは混乱してしまう。もし自分が同じ状況ならば案内板の必要性を訴えるであろう。
「いえ、良く見たら前の車には誰も乗っていなかったんです。路駐の列の後ろに並んでたんです。」
「少しのことにも、先達はあらまほしきことなり。」
もう先達うんぬんの話ではない。ボクは混乱した。てっきり上の駐車場には車が停められなかったというオチだと思いこんでいた。ノリさんに必要なのは先達なんかではなく注意力なのだ。そして奥様のマネジメント力を過大評価してしまった。おしどり夫婦という言葉がなんとなくマイナスイメージになってしまった瞬間であった。
あっぱれノリさんご夫妻!
おっといけない。もうこんなに喋ってしまった。もうそろそろ仕事に戻ることにする。話を聞いてくれてありがとう。次回は「それいけノリさんテレビ購入事件」でお会いしよう。ではまた。