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名前をつける → 認知される →注意が進む
情報システムのプロジェクトなどで標準化という理想状態を目指すことだけが目的化すると、不毛な結果になります。それは、「スタンダリアン」というお化けのせいなのです。
そのお化けの生態を露わにした本から、一部内容を紹介します。
もしかしたら、読者の方の中には、今まさにスタンダリアンが憑りついた人に困らされているという方もいるかもしれない。
私もお化けハンターとして、いくつかのプロジェクトでお化け退治をやってきたんだけど。
なぜだろう。今の社会には、どんどんとスタンダリアンが広がっているような気がする。
スタンダリアンのタチの悪いところは、自分が正しいと信じ込み、他人に対しても理知的で論理的に見える言葉を使ってもっともらしく説得するところなんだ。
スタンダリアンに憑りつかれている人は周りを不幸にしている自覚が全くないし、自分がお化けに憑りつかれていることに全く気付かない。
名前をつけるということ
どうすれば、スタンダリアンが広がっていくことを阻止できるんだろう。
1つの方法は、彼らに名前をつけることだと思ったんだ。
変なプロジェクトを見つけたら、「あそこに、スタンダリアンがいるぞ!」とつぶやいてもらうだけでもいい。自分自身で気づけた人は、「あぶない、スタンダリアンに憑りつかれるところだった」と自省してくれてもいい。
見えないお化けには対抗しようがないけど、お化けを見えるようにすれば対策がしやすいと思うんだ。
そしたら、いろいろな組織で、不毛な仕事を少し減らすことができるかもしれないね。
上記文章は、著書「スタンダリアン:標準化お化け」からの一部抜粋です。