幼きわたしを拾いに
父の事業が潰れたのは今から約20年前。
わたしたち一家は急転直下のように運命が一変した。
窮地に陥りながらもその沼地は底辺のように見えて深淵ではなく、人の縁と支えのお陰で掬い上げられ抗うことなく東京へ移り住むことができた
当時のわたしは服飾の短大の卒業を控えているタイミングで、一緒に住んでいた兄も結婚を控え、お互い分岐点を迎えていた。
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