2024SHOCK総括

私がSHOCKを最初見たのは2019年のウチSHOCKが初めてで、その後コロナとプライベートでもいろいろあってなかなかずっとSHOCKから遠ざかってしまい、でも今年は幸運なことにショウリEternal、ショウリ本編、ユウマ本編、タツヤ本編(ライビュ)の順で見ることができました。
初見のウチSHOCKのときは、演者側は言わずもがなですが、見る方もカロリーが高過ぎる演目に白目をむきながらも(今と長さや演出もそれなりに違いますし)虜になった覚え…
ただそれ以降主に自分の体調が整わずタイミングが合わずに観劇できなかったんですが(円盤は見てるよ)、今年でSHOCK自体が幕を閉じるということもあり、可能な限りチケットを取るべく頑張りました。

※以下は完全に自分の解釈で備忘です。他の解釈も全然あります。あと長いです。※

ショウリSHOCKは私的には完全に師匠(≒父)殺しの話で、コウイチはショウリが真剣を用意したことに怒りを覚えてショウリをさらに挑発した結果、事故が起こったという感じ。もちろんショウリは殺す気なんて全然なかったけど、師匠であるコウイチに挑発されて、挑発に乗ることすらコウイチに指示されて強制されて受けざるを得なかったようなイメージ。

ユウマSHOCKは、こうちゃん自身が雑誌で「コウイチは自分でユウマの持ってる真剣を首に当てるっていう解釈になったのでそういう演出にした」ってニュアンスのことを言ってたのもあり、コウイチは自死に近いんだなってなんとなく思ってました。でもやっぱり私はコウイチはユウマが真剣を持ち出してぶち壊そうとしたことにショックを受けながらも、やっぱりshowを壊そうとしたユウマに怒ってユウマをさらに挑発したようにも見えた。コウイチが最後自分で刀を首に持っていったのは、怒りとショックが相まって思わず、という感じ。

大千穐楽のタツヤSHOCK。
そもそもまず私がショウリ・ユウマとタツヤの決定的な違いだと思ったのは、ショウリ・ユウマはコウイチとリカに同じくらいの激重感情持っていて、そこが絡まってJapanesque前にコウイチの言葉を引き金に爆発してしまい事故が起きたという印象なんだけど、それに対して、タツヤはもちろんリカは大好きなんだけど、そんなのちっぽけに思えるくらいコウイチへの激重感情が大きすぎる点。
違う言い方をすると、ショウリ・ユウマはコウイチとリカとの間の三角関係がはっきりしてて、コウイチに認められることがリカに認められることとイコールって思ってそう。それに対して、タツヤの場合、どっちかっていうとリカはコウイチへの想いが自分と似てるからこそシンパシーで恋心を抱いているように見える。その分、リカへの気持ちがさらっとして見えちゃうくらいコウイチへの愛憎が強いんだよね。
コウイチは、タツヤには絶大な信頼を置いているからこそ、挑発する。お前そんなもんじゃないだろ、と。コウイチはタツヤが自分についてくることを疑ってない。

コウイチはあのJapanesqueの前にタツヤに偉そうにSMGOについて説教するんだけど、コシオカが持ってきたのが真剣で、それがタツヤが仕組んだことだって分かったときに、タツヤに拒絶されたと思ってしまって絶望して思わず真剣をタツヤに渡しちゃった。
コウイチが本当にSMGOを実現するなら、自分が真剣を持った上で誰も傷つけず、誰にも気づかれずに演目を進めるべきなのに。
でも絶望感で打ちひしがれてSMGOが出来なかった。直前まであんなに偉そうに語ってたのに、対応できなかった自分に絶望して、自分の大好きで心血注いでいたshowを自分で失敗してしまったことと、どんなに強く衝突しても付いてきてくれると信じていたタツヤから拒絶されたと思ったこと、それらが相まってもうコウイチは自暴自棄になって、もうshowのこともタツヤのことも考えられなくなって、自分の作ったshowの中でタツヤの手で死ねるならいいやと自死を選んだ感じ。「続けろよ!続けろっ!!」と言うのはタツヤに言っていたようで自分に言ってる感じもあり、でもどちらにしろ空虚に聞こえた。

他方でタツヤが真剣を用意したのは、別にコウイチを拒絶したわけじゃなくて、幕間で頭ごなしに怒られてカッとなって、子どもっぽいイタズラで困らせたかっただけ。魔が刺しただけ。
出トリチでスタッフに怒っているのも、ショウリやユウマは自分の出番を潰されたことを本当に怒っている感じだけど、タツヤはそれ以上に自分がうまく対応出来なかったこと、コウイチがころころ変える演出に付いていけない自分の苛立ちを八つ当たりしているようにも思えた。そういう意味で、真剣を用意したのは子どもっぽい八つ当たりにすぎない。

SHOCKをたくさん見てきたわけじゃないけど、ウチSHOCKを見たときに感じたのは「コウイチは絶対的に正義」「コウイチは死して神格化される」というイメージ。今年のSHOCKはそのイメージがだいぶ薄まってコウイチの脆さも分かる演出だったけど、でもショウリ・ユウマSHOCKは確実に「コウイチの正しさ」を感じるもので、ライバル役が「コウイチを殺した」ように受け止められるものだった。
でもタツヤSHOCKでは、コウイチの死は完全にコウイチが招いたもの。直接のきっかけはタツヤだったとしても、その種をまいたのはコウイチ。コウイチはタツヤの気持ちもカンパニーの大事なことも見誤って周りが見えなくなってひとりになった。コウイチの孤独はずっとSOLITARY(自分が高みに行くために自ら選んだ孤独)だったのに、タツヤに拒絶されてコウイチはLONELINESS(意に反した孤独。夜の海の歌詞にも出てくる。)に陥って、それに耐えられずにタツヤに「殺してもらった」。それがタツヤにどんな十字架を背負わせてしまうかなんて考えられないくらい、周りが見えなくなって、自分のことしか考えられなくなった。

二幕のタツヤは、その十字架を背負って夢の中を彷徨っている。怯えたり泣いたりするのが無邪気な少年みたいで、心理的な衝撃で幼児退行しちゃったみたいだった。(あのシェイクスピア劇、劇中劇の役をやっているときとタツヤに戻るときの表現の振れ幅が最高だった)

亡くなったはずのコウイチが戻ってきたとき、コウイチは自分の「罪」も「弱さ」も都合の悪いことは全部忘れているようで、タツヤが自分のやったことを告白したのも、コウイチの態度があまりに無神経に感じてキレちゃったんだよね。戻ってきたことを素直に喜べない。お前オレにすげぇひでぇことやっといて結局そんな感じなのかよ、と。
他方でコウイチはむしろ「事故」(私的には自死)の経緯を忘れないと戻ってこられなかったんだと思う。それもまたコウイチの弱さに見えた。

私は今回のSHOCK、あんなに人間くさくて間違いをおかしたコウイチに会えると思わなかった。それはひとえにライバル役の上田竜也くんの演技力、表現力に尽きると思う。もちろん、演出家堂本光一のディレクションはあるのかもとも思うけど、ディレクションがあったとしても、ここまで説得力を持ったのは上田くんの力だと思った。
自分が大好きな光一くんのライフワークと言っていいSHOCKが今年限りということで、その幕引きを見届けたくて大千穐楽のライブビューイング行ったんだけど、途中から上田くんに釘付けだった。SHOCKはこれまでコウイチと堂本光一の凄さ、美しさ、圧倒的存在感を堪能する演目だったのに、今回そこはかなり相対化されてて、「タツヤの物語」でもあったのがすごかった。

こんな解釈の説得力を増し増しにしてくれたのは、ライバル役のソロ曲MOVE ONの上田くんの歌い方やパフォーマンスだったと思う。コウイチとは別ベクトルのスター性、存在感。あそこから、タツヤから目が離せなくなった。MOVE ONが劇中曲ではなく、「上田竜也の持ち歌を劇に持ってきた」くらいの感じだった。
特に声から溢れ出る色気、エロス、凄かったです。上田担からしてもMOVE ONの発声はほかの現場とは全く違うらしいというのを見かけましたが、上田くん!上田くんとしてのソロでもぜひあのMOVE ONと同じ歌い方してほしいです!!!

コウイチもSOLITARYのダンスとか特にエロスはもちろんあるんだけど、どちらかと言うと中性的なエロスで、タツヤの場合は非常に男性的なエロスを感じました。個人的にあの「声の色気」に完全に当てられてしまった感じ。ぜひサントラ化して…もう一回あのMOVE ONを聴きたい。
マントもみんな言ってるけど綺麗に羽ばたかせててすごいよね…KAT-TUNのライブだとあれデフォなの…???



最後に。
こうちゃん、大千穐楽本当に本当にお疲れ様でした。最後の最後まで素敵なものを見せてくれてありがとう。ずっと身体が心配だったから、まずは原くんが言うようにまずは人間ドック言ってもらって、その後のこうちゃんの作るエンタメ、楽しみにしています。負けず嫌いのこうちゃんのことだから、「SHOCKを超えるものを作ろう!」ってなると思うんだよね。それも楽しみです。

上田くん、今回の大千穐楽で上田くんが大好きになりました。個人的には上田くんはぜひぜひこれからもお芝居を、舞台を続けてほしいです。あのタツヤにまた会いたいよ。
(2024SHOCKでタツヤeternalも見たかったなぁ。そしたらもっともっと解釈が深まったかなぁ。)

SHOCK、ロスというより清々しい寂しさって感じ。寂しいけどもらったものも大きいから、辛くはないんだよね。
SHOCKに関わる全ての皆さんに、愛をこめて。
2024.12.2

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