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『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン 』について推測してみた。

その1「エカルテへの連絡船と、ディートフリート」

『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン 』で、エカルテ島への船便について個人的な考えを整理してみました。

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当時のエカルテ島は宿泊するところも無い小さな島。

ヴァイオレットとホッジンズの会話

「では、明日……」

「…………そうだな……。明日、また」

この「……」から、本来なら宿泊せず、その日に島を離れる予定だったと思われます。
雨に降られてたどり着いた灯台でも、灯台守の女性から、

「宿も無い小さな島だからねぇ」

と言われているので、エカルテ島で宿に泊まりたくても泊まれなかったのではないかと。

この事から、エカルテ島から夕方に出る便がある事がわかります。2人が乗って来た船が夕方に帰りの船になる1日1便か、乗って来た船はすぐに出航して、他にも便がある1日2便以上か。
ヴァイオレットがエカルテ島を離れるシーンで港へ接岸する船があるという事は、最低でも1日2便あった事は確実です。

ここで、エカルテ島はどこにあるのでしょうか。ギルベルトがホッジンズに自分の戦争後の行動を話すシーンで、ギルベルトが歩いている砂浜の対岸に見えるエカルテ島は、そんなに遠くないようにも見えます。

 絵コンテでは、ヴァイオレットとホッジンズが乗った船は"連絡船"と書かれているので、イメージ的には青函連絡船か宇高連絡船、船の大きさや距離感からすると宇高連絡船の方が近いのかもしれません。
そうであれば、往復に要する時間はそこそこかかりそうです。しかし、宇高連絡船などの連絡船に比べると2人が乗った船には乗船していた人が少なさそうでした。実際の需要はかなり少なかったのではないでしょうか。

そしてまた、灯台守の女性からは

「少なくとも朝にならないと船も出ないよ」

とも言われています。これは、嵐で夕方の便が欠航したので朝まで便は無い、元から存在する朝の便、のどちらかの事ではないでしょうか。「少なくとも」と言っているので、いま雨が止もうが「船は出ない」ということではないかと思います。 という事は、船は島に長くは留まっていないのではないでしょうか。
いずれにしても便数は、そんなに多くないと思われます。

夜のうちに雨が上がり、翌日の夕方、ヴァイオレットとホッジンズは港に向かっていました。
なぜ夕方だったのでしょうか。

朝の便があったかもしれませんが、夕方の便にしたのは、船から乗り継ぐ鉄道の関係ではないかと思います。

鉄道と航路は密接な関係があって、日本でもかつて東京から北海道へ行くためには、東北本線の特急→青函連絡船→北海道内の特急、と接続が取られていました。

同様に、夕方の便はライデンへの列車に連絡するため、当初に乗る予定の船も夕方の予定だったのではないかと思われます。
エカルテ島からライデンは

「どんなに急いでも3日はかかる」

と言われています。鉄道と船を乗り継いで行き来する時代だったと考えられますので、接続はしっかりと取られていたのではないかと思います。

エカルテ島は小さな島とのことですから、ライデンに戻る最短便は一日一便だったのではないでしょうか。エカルテ島からの船は朝の便でも夕方の便でもライデンへの列車は同じ、だったら少しでも長くエカルテ島にいるために、ヴァイオレットがギルベルトへの“最後の“手紙を書くために、ホッジンズは夕方の便を選んだのかもしれません。

次に、ディートフリートがいつエカルテ島に着いたのか、を考えてみました。
ヴァイオレットとホッジンズの2人が港に着く前、夕方の港に接岸している船があります。ディートフリートは、2人が島に着いた翌日の朝の便か、この時に停泊していた便で着いたのではないでしょうか。
このことから、エカルテ島への船は2便ではなく最低3便はあったのかもしれません。

そしてディートフリートは、なぜ1日遅れてエカルテ島に着いたのでしょうか。
海軍の大佐という立場からすぐには休めない仕事の都合かもしれませんが、もしかするとギルベルトに会うのを躊躇していたのかもしれません。"素直になれなくて"

完全な推測ですが、実はディートフリートはヴァイオレットとホッジンズと同日にライデンを出発していたのですが、島からヴァイオレットとホッジンズ、一緒にギルベルトが戻って来ることを期待して、エカルテ島からの連絡船が着く港で待っていたのかも。
今のヴァイオレットであれば、ギルベルトを連れてきてくれるのではないかと。

しかし、嵐の前に戻ってきた船にギルベルトは乗っていなかった。
本来乗船しているはずのヴァイオレットもホッジンズも乗っていなかった。

ここでディートフリートは、2人はギルベルトを連れて来れなかった、ギルベルトが自分の意志で離島しなかった、という事を察したのかもしれません。
だとすれば、港に向かうヴァイオレットとホッジンズとは行き違いになっていたとしても、ディートフリートがギルベルトの所に現れた時の会話は成立します。
島からの船が出るはずの夕方にもかかわらず、ヴァイオレットやホッジンズと一緒にいないギルベルト、船が出るはずの港に見送りにも行っていないギルベルト。

これでは、ディートフリートが今まで目にしたヴァイオレットの変化と、その思いを受け入れないギルベルトに対して

「今は麻袋に詰め込んで」

と言ったディートフリートの気持ちもわかります。

最後に、もしディートフリートの乗ってきた船が、海軍大佐の地位を使ってライデンから直接乗りつけた船だっとしたら…… 
それはそれでディートフリートのギルベルトへの兄弟愛が凄すぎます。
手紙からギルベルトの所在を、偽名を使っている事を軍の力を使って調べたと思われるので、そんなディートフリートなら、それぐらいやりかねないかもしれません。

でも、残念ながら船のディティールから、その可能性は低そうです。


最後に、『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン 』のキービジュアル。ヴァイオレットとギルベルトの背後に見える島はエカルテ島との事。

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だとすると、2人でエカルテ島の対岸に来てることになります。ギルベルトは手紙を持ってて、ヴァイオレットは、最初にエカルテ島に行った時には持っていなかった日傘を持っている。

これは、いつなのでしょうか?

ヴァイオレットが仕事を終えて、島に行く日についてギルベルトに手紙を書いた。ギルベルトは、その手紙持ってエカルテ島への連絡船乗り場まで迎えに来た、という事かなと考えました。

夕景なので、翌朝の船で2人はエカルテ島へ。その後が月刊ニュータイプの付録。そして入場者特典のハガキ、という流れではないかな、と想像してみました。


以上、独りよがりの拙文にお付き合い頂き、ありがとうございました。

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