【Vtuber】ヤマトイオリの配信にはいつも家族の香りがする。「イオリズレイディオ2」レビュー
パーソナリティがそもそもラジオを聞かない。
お便りは来るけど、授業中はおねむの時間だったので、読めない漢字がたくさんある。
そんなパーソナリティが、アシスタントなしで企画から番組を作ったらどうなるのか?
イオリンワールドができるんです。
他のどのVtuberも芸能人もまじってない、純度の高いイオリンワールドが熟成されるのです。うむ。今年のイオリンも良い出来だ(ワインの出来を確かめるように)
ママが手紙を書きながら
「恐縮って言葉を使うと頭が良さそうすぎる」
と困っていた話が特に好き。
どっかでその話に近いものを聞いた気がするぞ?と疑問に思って、独自にイオリン考古学を研究し、資料の山をあさっていたところ、まだ旧衣装だったころの【ハッピー】トリックオアトリート【ハロウィン】回で似た話を発見した。
この動画の28分ごろに、トリックorトリートの語源の話で「諸説」という言葉が出て、
「やばい!イオリ、諸説あるとか言っちゃった、めっちゃ頭よさそうじゃない?イオリ今日わらびもち食べたんですけど」
と、ある。
ママ「恐縮」は頭良すぎな気がする。
娘「諸説ある」と言ったら頭いい気がしてしまう。
ふたつの話を続けて聞くと、
これは親子だ、つながった!って感じがする。むつかしい漢字のない家で育った母娘。あとこの回は、キャラクターの名前を当てるクイズが激ムズで大好きなんですがそれは置いといて。
たまに自分で書いたキャラクターを動かしたり、ラジオ中にも架空CMをつくったりしているけど、それも高度なお人形あそびみたいでおもしろい。始まるたびにコメント欄が、
「・・・来たぞ」ってざわざわする。
ふつうの番組はCM中、他のことに目がいったり、力が抜けるものだけど、禁断症状の震えをいかして運動するヤマトジムとか、イオリズワールド始まってんなこれ!イオリンが世界観ぶつけてきたぞ!
ヤマトイオリの配信は、ずっと家族が見守ってる感じがある。
パパは花が好きって話は前からしていたんだけど、そういえば庭の木や植物の話は何回も出てきたような気がする。今回はなんと薔薇のアーチを作った話。しばらく話題に出てこなかった間にパパがレベルアップしてる!
あと、ゲーム中にもしょっちゅう出る口ぐせ「おじょうず」。
「おじょうず」
って、あんまり口に出して使う人いないけど、ヤマト家は怒るよりほめて育てるから、おじいちゃんかおばあちゃん「おじょうず」と言われて育って、その言葉を当たり前に使ってるのかなと推測している。
ヤマトイオリの配信には、ずっと家族のみんながついてる気がする。
けっこう大きくなるまで家族とお風呂に入っていた話とか、ちょっと過保護なのでわー?ってくらい優しくされて育ったのが、話し方やエピソードからにじみ出ている。
言ってしまえば、ラジオは嘘をつこうと思えばつける。
一人っ子なのに「兄が16人いて末っ子です」とか、なんでも言える。
ドキュメンタリーも、リアリティショーもエッセイも、本当の話ですと言いながらフィクションがまざってるし、プライベートで話せないこともある。だけど、その中で信じられることがあると付いていきたくなる。
この話は本当に嬉しかったんだろうな、とか。
大げさに話す人でも、ウソをつきたいわけじゃなくて楽しませるためにこういう言い方をしてるんだろうな、とか。
ヤマトイオリの配信だと、友達と家族の話はすごく本当っぽい。YouTube配信なんてどこが本当でどこがフィクションとかわからないけど、信じたくなる。
リスナーは、映像のないラジオという世界を
「ここはきっと真実だ」
と思える瞬間を道しるべにして歩いている。