宗教2世の漫画家、菊池真理子さんは、宗教を批判したいわけじゃないです!
漫画家の菊池真理子さんが、宗教団体からの脱退を漫画に書いていて警告を受けた?とかで、以前Twitterで多少話題になっていました。
ぼくは宗教関連のことに詳しくないし、そこを批判するわけじゃないです。
菊池さんは、自分も宗教2世で、親の言う教えがほかの子と違うことに気づいて悩んで、そこから脱退した。
そのときになんの圧力もくわえられなかったことをツイートしている。
だから、話題に乗っかった人が、カルト宗教のやつらはろくなもんじゃないとか言いたがるけど、そういうことを言いたいんじゃない。
まず、菊池真理子作品は凄いということを言いたい。
「酔うと化け物になる父がつらい」は、アル中の父に苦しめられてきた話で、
オトナはお酒を飲むものだから、受け止めれれない自分が悪いんだ、と誤解していたけどそうじゃなくて自分は虐待されていたといってもいいんだ、
私は悪くない!自分の道を行く!と叫ぶような漫画で、読んでて幼少期の描写には「ひいいっ」となるつらさ。
それを、本来かわいい作品を描くために習得した絵柄で描くから、余計にすごみというか、こわさが刺さる。
これは僕が何度も応援記事を書いている永田カビさんにも共通する。
そのあと、人と会うと疲れてしまうとか、読みやすい内容の「生きやすい」が出る。「酔うと~」はつらいから簡単には勧められない。これのほうが読みやすい。菊池さんは決して強くて頑固な人じゃないし、宗教団体からの離脱をペン1本で描いて戦って生きたい人じゃないと思う。
だけど、菊池さんは
「宗教にすがる母・酒におぼれる父」
に対して、
「あなたに産んで育ててもらったけど、あなたの生き方を継がない」と宣言しないと自分の人生が始まらないから、描くしかなかった。
その次が、問題のある家庭から抜け出した人たちのルポ漫画「毒親サバイバー」になる。
一連の作品名だけでわかるけど、
この方は、宗教を批判したいんじゃなくて、生まれついた環境から抜け出すことを描いているんです!
家業とか家族に従うのが美徳とされているけど、それが間違っていると思ったら抜け出してもいいってことを描いてるの。
作者の菊地さんの対談を読んだけど、いかにもおだやかそうな女性が、描かないと人生が始まらないから腹くくって描いている迫力を感じる。肉体を大きくすることに目覚めた男性と違う強さ。内側の強さがあって、かっこいい。