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ニンテンドーダイレクトに出してあげてほしかった「ペニーの大脱走」

ゲームシステム、映像、キャラクター、ストーリー。
それぞれ単品で見ると、凄いところはない(音楽はいいけど)。
なのに、それら全部をぶちまけてミックスすると、それはそれは幸福感にあふれた豪華なおもちゃ箱ができあがったのでした。

海外のニンテンドーダイレクトで紹介された「ペニーの大脱走」をクリアした。
マリオ64、ソニック、ドンキーコング、バンジョーとカズーイあたりのゲームを好きで好きでしょうがない人が作った、愛にあふれた作品でした。
国内ニンダイではこれの代わりにクレヨンしんちゃんとかが枠を取ったんだけど、新規タイトルは日本の任天堂もちゃんと紹介してあげてほしかった。

「ペニーの大脱走」は大道芸人の主人公が、変幻自在なヨーヨーを使った攻撃とダッシュ、ときにはグラップリング、セグウェイにも変形!
して3Dのフィールドを駆け抜けるゲームだ。

何もないスペースがない。
仕掛けと仕掛けをつないで、ちょっと隠れたところにはアイテムや助けを求める人がいて、最初は慣れないアクションと複雑な地形に四苦八苦するけど、ふしぎなもんで初回プレイでやられてるときから
「これは上手くなるほど気持ちよく、楽しくなっていくやつだ」
とわかる。

ヨーヨーを一回出すと攻撃、出しっぱなしにすると空中でぶらぶら滞空する珍しい操作で、これを上手く使うときれいに足場から足場に飛び移れる…多分。
でも正直、メーカーの求める腕前にちょっと自分の腕が達してなくて。
すごく楽しい場面もあったけど、距離感がつかめず落下、仕掛けの意味がわからず同じ場所で詰まる、ボスのパターンがわからずガチャガチャやってるうちに行けてしまう、などのもったいない消費の仕方をしてしまった。

それでも何か応援したくなるゲーム。
ぼくが好きなのは、難易度設定などまどろっこしい要素がないから、詰んだらゲーム好きな友達呼ぶしかないところ。
ゲーム内アイテムでできることが増えたりしなくて最初から全部の行動ができるところ。
ストーリー飛ばしても問題ないところ。

あと、この敵ボス(右)のデザインがいくらなんでも、かわいくもかっこよくもなくて
「お前のデザイン、何を参考にしたんや!(笑)」
って声に出そうになるけど、メガドライブのあか抜けないゲームにいそうな気もするところ。
プレイ感はロクヨン、キャラはメガドラ感がある。
出てくる人に既視感があると思ったら全員「タントアール」の人に似てる。

子供向けっぽいけど、よく見ると全体的な色使いにこだわりがあって、昔のポスターみたいだったり、自然や機械の色味がちょっと複雑だったり。
さっきのボス戦の画像も、青空や夜空じゃなくてちょっと見たことない色にふしぎな形の雲が浮いている。
日本のゲームの影響を受けているけど、日本人からは出てこないセンス。

昔は、海外では人気っぽいけど日本人ウケしなさそうなゲームがいっぱいあって「世界は広い…」と思ってたけど、あの感覚ごとよみがえった。

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南ミツヒロ
読んでくれてありがとうございます。 これを書いている2020年6月13日の南光裕からお礼を言います。