【ラジオと日常】2時間ドラマの特殊な作法。
2時間ドラマの帝王、船越英一郎がゲスト回の「ラジオと」を聞いた。
刺激的なネット配信ドラマなどにくらべると、地味に見える「2時間ドラマ」の特殊な世界。
熟年の男女コンビが全国を旅しながら、なぜか旅の先々で起こる事件を解決し、犯人を崖の手前で自供させる。
放送時間1時間ぐらいに差し掛かると
「まてよ、今までの事件を思い返してみると・・・」と、登場人物がこれまでのあらすじを振り返る。
料理しながらなんとなく音だけ聞いていたり、他の番組が終わってチャンネルを変えてきた人たちのためだ。
「ながら」見の人。「それぐらいの集中度の人」が観るために作っている。
映画館の映画のように、全部集中してもらうことを客に求めない。
みんなにはテレビよりも生活があって、自分たちはちょっと脇にあるお新香とか紅ショウガみたいなものとして働く。
2時間ドラマのノウハウは一度途切れたら復活するのは難しいという。
人類の家事が全て自動化して、映画だけ観て楽しくすごせる時代に2時間ドラマを観たら、「なんだか当時の映画は不思議な演出だなー」
だけで終わりになる。
それどころか、
10年前のネット動画はなんでみんな顔を隠しているの?とか、
20年前のゲームはなんで操作性が統一されてないの?とか、
30年前のアニメはこんな表現ゆるされてたの?とか、今見てもどういう意図と制限があるのか調べて、初めて「なるほど!」と手を叩くことができる。
「今のもの」はすぐに「当時のもの」になってしまう。
読んでくれてありがとうございます。 これを書いている2020年6月13日の南光裕からお礼を言います。