【試訳】ライバッハ「芸術と全体主義」

 芸術と全体主義は相容れないものではない。
 全体主義諸体制は、諸個人が革命的芸術的自由を有するという幻想を廃絶する。ライバッハ・クンストは、個人の嗜好、判断、信念、等々……の意識的放棄という原則に基づいている。すなわち、自発的な脱人格化、イデオロギーの役割を自ら進んで受け入れること、体制の仮面を剥ぎ取りそれを再演recapitulationすること、そして「ウルトラモダニズム」であること……。

 物質的な力を有する者は精神的な力をも有する。そして、政治的な操作の対象となるのは、この操作の言語を話す芸術を除いて、すべての芸術である。

1982年、リュブリャナ


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 原文(英語)は『Neue Slowenishe Kunst』(AMOK Books、1991年、以下『NSK』)より。The Unofficial Laibach Siteには少し異なった版が掲載されている。大きく異なる点として前者では LAIBACH KUNST is となっている箇所が後者では Neue Slowenische Kunst is となっている。他、細かい異同があるが全体的な意味に大きな変更はない。Unofficial Siteのものは出典が不明であるし、『Impossible Histories』(2003)や Monroe『Interrogation Machine』(2005)などにも前掲『NSK』と同じものが記載されているのでそちらから訳出した。翻訳は下訳をDeepLで行い、手動で修正を加えた。


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