韓国の文化・慣習プチコラムその1(『梨泰院クラス』について#9)
ドラマ『梨泰院クラス』について9回目です。今回は、ドラマを見て日本の人がちょっぴり気になりそうなこと、あれこれを記していきます。
韓国の車のナンバー事情
第1話でグンウォン(アン・ボヒョン)がスア(クォン・ナラ)に新車とそのナンバーを自慢するシーンがあります。「7777」という覚えやすい数字、ラッキーと言われている数字を好むのは日本人と近い感覚かと思います。
ドラマ『梨泰院クラス』からのキャプチャー画面 車で送っていくというグンウォンの誘いをスアが断るシーン
韓国では、車のナンバーは登録時にランダムで10個挙げられ、その中から選ぶことになります。1111、7777、8888などの“ゴールドナンバー”に巡り合うかどうかは運次第で、ナンバーを指定して取得することは原則としては不可能です。だた、好きなナンバーを得るために、そのナンバーの中古車を買って廃車にし、6ヶ月後に再活用するという方法があります。区役所でそのナンバーの所有者であることを証明すれば可能なのですが、とても時間と手間がかかるので、裏で何十万ウォンで取引されているという話もあるそうです。
セロイはいつ兵役に行ったの?
高校退学とほぼ同時に刑務所に入り、出所後は遠洋漁業船に乗ったり工場で働いて開店資金を貯めていたセロイ。韓国男性の義務である兵役はいつ行ったの? と疑問を持った人もいるかもしれませんが、1年6ヶ月以上の禁固または懲役刑を受けた者は、戦時勤労役として兵役の免除処分になります。セロイは懲役3年を宣告されたので、兵役は免除になっているのです。
ドラマ『梨泰院クラス』からのキャプチャー画面 遠洋漁業船にセロイが乗り込むシーン。このあと物語は7年後に。
ちょっぴり怖い!血のりみたいに真っ赤な韓国軍手
韓国ドラマで力仕事や作業をするシーンなどで時々見られる、手のひらが真っ赤な軍手、気になりませんか? こういう商品だと知らないと、血がついているみたいでぎょっとするかと思います。『梨泰院クラス』第1話でも、セロイと父親が店のオープン準備でこの軍手をして作業しています。
ドラマ『梨泰院クラス』からのキャプチャー画面 親子で開店準備をするシーン
ドラマ『梨泰院クラス』からのキャプチャー画面 セロイの店・タンバムを改装するシーンでも軍手が登場
作業用の軍手は本来は布製のものでしたが、あるメーカーが手のひらに赤いラテックスをコーティングした製品を出荷してから、一般的な軍手として広がっています。使い捨てで、手のひらの部分がコーティングされているので摩擦にも強く、保温、保護にもすぐれていて使いやすいです。海外でも韓国の軍手は人気で、アメリカでは「Korean red latex glove」として売られています。手のひらが血塗れのようなので「殺人手袋 murder glove」とも言われます。最近は緑や黄色もあるそうです。