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信じる?信じない?気になる韓国の占い事情。韓国のお守りと日本のお守りの違いは?(ドラマ『椿の花咲く頃』について#7)

『椿の花咲く頃』について、7回目。韓国は「占い」を身近に感じている人が多い国です。一般的には中国の影響を受けた風水に始まり四柱推命や易占いなどが盛んですが、今回は韓国ドラマで目にする、独特の占いやお守りについて紹介します。

『椿の花咲く頃』第1話で、主人公ヨンシク(カン・ハヌル)のお母さんが、正義感が強すぎてトラブルに巻き込まれてばかりのヨンシクは結婚できるのか、先行きを心配して占い師のところに相談に行くシーンがあります。ここで占い師は壺のような器から米粒をひとつかみしてテーブルの上に広げ、その米粒を見て占います。

『愛の不時着』でも北朝鮮で占いのシーンがありますが、やはりテーブルの上にはお米を入れた黒い器があります。

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ドラマ『愛の不時着』からのキャプチャー画面。

 こうした米占いのシーンはドラマなどではよく見るのですが、実際はどういった解釈をする占いなのか、韓国でも理解している人はそんなにいないと思います。米占いは米粒の数で吉凶を占うもので、その歴史は長いと思われますが、正式な起源はわかりません。農作の豊饒を願い、予測することから伝わった巫俗信仰のようです。

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ドラマ『椿の花咲く頃』からのキャプチャー画面。

 うさぎ(ヨンシク)が竜と出会う――占い師はそう言います。「竜はどこに?」とヨンシクのお母さんが尋ねると、占い師は「東に」と答えて東の方角を指すと、そこに引っ越しの挨拶をしにヒロインのドンベク(コン・ヒョジン)が現れるのです。

 また、ヨンシクのお母さんは、占い師にお守りをお願いしています。韓国のお守りは「プジョク(符籍 부적)」と言って、占い師、易者や僧侶に書いてもらうお札のようなもの。結婚や事業、改名、病気治癒など悩みや願いによって内容はさまざまで、その目的や占いの流派、書かれる言葉や模様によって値段も異なります。

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ドラマ『椿の花咲く頃』からのキャプチャー画面。

 最近はネットで販売されていたり、占いやお祓いを受けなくても買えるものもありますが、日本の人が神社やお寺に行ったときにお土産感覚で気軽に買うお守りとは捉え方が違い、個人個人のために書かれた重みのあるものです。

 家に貼るものと身に着けるものがあるプジョクですが、黄色の紙に赤の文字で書かれていて、一般的には四つ折りすると手の平に入るくらいのサイズになります。『椿の花咲く頃』第1話で、タクシーの運転手をしていたヨンシクが車のバックミラーにプジョクをぶら下げているシーンもありました。

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ドラマ『椿の花咲く頃』からのキャプチャー画面。

 そこでスリを捕まえ、また家の中も数々の感謝状や表彰状と並んで、大判のプジョクが飾られています。

 占いやプジョクは宗教によって禁じられていたり、迷信だと言って信じない人もいますが、韓国では人生の大事な節目節目や日常のちょっとした選択のときにも相談に行く、生活に密着していることが多いのです。ソウルの街中には占いカフェもたくさんあります。

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