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初雪は特別な日。年に一度のその日に託すロマン… 叶ったらマズい2人の恋(『愛の不時着』について#4)

 ドラマ『愛の不時着』について、4回目です。

 初雪は韓国人にとって大切なもの。初雪を一緒に見ると恋が芽生える、初雪の日に告白をすると恋が叶うなどさまざまな恋愛のジンクスが囁かれ、初雪にロマンを託しています。実際に初雪の日に告白すると叶う可能性が高いとも言われます。初雪予報の問い合わせが気象庁に殺到するほど、年に一度の大イベントを心待ちにしている韓国人。

 告白を考えている人は最高のタイミングで決めようと、気持ちも高まっています。カップルなら、何年か後の初雪の日に会う約束をするケースも多いです。そのころには2人の関係がどうなっているかわからないからこそ、初雪の約束はロマンチックで、映画やドラマでも欠かせないエッセンスです。

 韓流ブームのきっかけとなった『冬のソナタ』で、雪だるま同士をキスさせる初雪の日のデートシーンを記憶している方も多いのではないでしょうか。記録的ヒットドラマ『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』でも初雪は運命的な演出に使われていました。

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http://program.m.tving.com より

『愛の不時着』第6話で、平壌の大同江(デドンガン)でセリ(ソン・イェジン)とジョンヒョク(ヒョンビン)がビールを飲んでいると、窓の外に雪が降ってきます。

「これって初雪? 大変! 初雪を一緒に見ると恋が叶うんです。聞いたことない?」。韓国では常に冷静だったセリが初雪ではしゃぐ様子に、彼女がジョンヒョクに出会ってからの心の変化を感じます。

 ジョンヒョクには婚約者がいて、セリはまもなく北朝鮮を去る予定。「私たちは叶ったらダメよね、大ごとになる」と自分にも言い聞かせるように言いますが、酔ってジョンヒョクの広い肩にもたれかかります。そのまま静かに雪を見つめる2人。叶ってはいけない恋が、初雪によって一層ロマンチックになったシーンでした。

 また、2012年の大ヒット映画『建築学概論』では、初雪の日、約束の場所に相手の姿がなく、すれ違ったまま淡い初恋は終わり、時が経ってしまいます。誰にでも経験がありそうな、学生時代の未熟な恋は多くの人々に共感を与えました。

 韓国人にとって初恋と初雪はつながっている気がします。初めての恋だからこそ、初雪にも想いを託すし、大人になっても初雪とともに忘れられない思い出になるのではないでしょうか。今、恋をしていてもしていなくても、韓国人だったら初雪が降ると無性にロマンチックになると思います。

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