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韓国では何歳から大人?セロイに営業停止処分をくらわせた未成年の飲酒(『梨泰院クラス』について#8)

 韓国の年齢の数え方を知っていると、もっとドラマに入りやすくなります。今回は『梨泰院[イテウォン]クラス』について、8回目です。

 第3話で、高校生のイソ(キム・ダミ)、グンス(キム・ドンヒ)とその先輩が、梨泰院にある大手チェーン「長家(チャンガ)」の居酒屋で入店を断られます。厳しいチェックで未成年だと見破られた3人は、縁があった主人公セロイ(パク・ソジュン)が経営する「タンバム」へ。セロイは不在で、スタッフのスングォン(リュ・ギャンス)は怪しみつつも、少しでもお客さんがほしくて入店させてしまいます。

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 ドラマ『梨泰院クラス』からのキャプチャー画面 このあと別人のIDを見せるイソを疑いつつも、入店を許してしまう。

 韓国では年齢は数え年で、生まれた時点で1歳となり、誕生日ではなく新年の1月1日を迎えると1歳年をとります。12月生まれの赤ちゃんは、お正月にはもう2歳なのです。法律上は実年齢が適用され、満19歳で成人となります。お酒を購入可能になるのは満19歳になる年の1月1日から。未成年は一般飲食店に出入りは可能ですが、たとえ保護者と一緒でも飲酒は禁止です。

 未成年にお酒を提供すると50万ウォンの罰金で、食品衛生法による処罰は起訴の場合は営業停止2ヶ月、起訴猶予の場合は営業停止1ヶ月となり、刑事罰と行政罰、両方の罰を受けることになります。

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 ドラマ『梨泰院クラス』からのキャプチャー画面 未成年がいるという通報で警察がやってくるシーン

 結局、イソたちが「タンバム」で飲酒していることはある人物によって通報されてしまい、ただでさえ経営不振の「タンバム」は2ヶ月の営業停止処分を言い渡され絶体絶命です。

 第4話で、「タンバム」の営業停止期間中、梨泰院での新年カウントダウンで盛り上がるイソは女友だちとお酒を飲みに行きます。満面の笑みで身分証明書を見せ、自信満々でお店に入っていくイソたち。

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 ドラマ『梨泰院クラス』からのキャプチャー画面

 ほんの少し前「未成年」でセロイをピンチに追い込んだばかりだったのが、満19歳になる年の1月1日になり、法的未成年ではなくなったのです。韓国の年齢のルールを知っていると、このシーンをより面白く見られると思います。

 身分証明書としてイソがお店に見せたのは「住民登録証(주민등록증 チュミンドゥンノクッチュン)」で、日本のマイナンバーカードに当たるものです。住民登録番号が記載され、その個人番号は社会のあらゆる場面で使います。運転免許証も身分証明書として使えますが、そこにも住民登録番号が記されています。

 ちなみに韓国では学期の始まりは3月です。1、2月生まれの人は前年度の3〜12月生まれの学生と同じ学年になりますが、同学年でも1、2月生まれの人は1歳若いので、早生まれと言います。これは日本の早生まれの考え方と同じですね。


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