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【伊良コーラの全財産をかけた挑戦!渋谷の目抜き通りに新店舗を開店!】を考察

クラウドファンディングアドバイザーの目線で
注目のプロジェクトを「勝手に」考察していきます。
誠に僭越ながら。
あなたのプロジェクトにも反映してみてね。

これぞクラウドファンディングの王道!!ど真ん中!ド直球!という内容。

コロナ禍の中で渋谷のど真ん中「キャットストリート」にクラフトコーラのお店を新規オープンする……というプロジェクト。

いいですよね〜。

ワクワクしますよね。

こういうプロジェクトが成功すると、クラウドファンディングという文化自体が成熟すると個人的には思っています。

ということで、このプロジェクトの解説をやっていきましょう!

その前にまず一度、こちらのプロジェクトページを確認ください。

確認いただくと内容が入りやすくなります。


文章が簡潔でわかりやすい

本文冒頭に「プロジェクトの目的」を書くことで、一気に読む人を引きつける工夫がされています。

伊良コーラの「これまで」と「これから」の話をさせてください。

めちゃくちゃ上手い言い回しですよね。

どのように事業を始めたのか、何人の方にコーラを飲んでもらったなどの実績を紹介。

と思いきや次の段落では一気にピンチ感を煽ります。

そんな状況だったため、周りにはいつも「危うい」と言われ続け、伊良コーラはまさに吹けば消えてしまう灯火のような存在だったかもしれません。

人はピンチや困難な状況をくぐり抜けた物語に心を引きつけられます。

順風満帆なストーリーほど退屈なものはありません。

このあたりを嫌味なく気持ちよく表現できるといいですよね。

つづいては「これから」について。

「キャットストリートは死んだ」

この衝撃的な言葉でさらに一気に煽ります。

かなりのパワーワードですよね。

こういう言葉を選んで使えるセンスに脱帽。

で、それに合わせたキャットストリートのいま現在の写真を添えているで、より一層胸に刺さります。

写真の使い方としてはベスト。

百聞は一見にしかずですからね。

「あの人並みでごった返してたキャットストリートがもぬけの殻になっているとは……」

言葉で表現が難しいことについては写真や動画を積極的に使って、わかりやすく説明しましょう。

この決め台詞にしびれた

コーラが生まれた1886年のアメリカは、南北戦争後、人々は疲弊し、町中に薬物中毒の人々が溢れる世の中でした。

そんな中、漢方を学んだ薬剤師「ジョンペンバートン博士」は人々の健康と明るい世の中を願い、世界にコーラを生み出しました。

今の日本も、全ての人がいつ晴れるか分からない霧の中にいるような気持ちを味わっていると思います。

僕が一番いいな〜と思った一文がこちら。

コーラの誕生秘話を、いまの日本の状況に重ね合わせて表現しています。

「こんなときだからこそコーラ!」という強いメッセージがひしひしと伝わってくる。

天才かよ。

さらにさらに……

そして、その先には2024年のアメリカ・ニューヨークへの挑戦が控えています。

次のチャレンジについても示唆しているあたりがにくいです。

「このクラウドファンディングは通過点に過ぎないんだぜ!」というプロジェクトオーナーの熱い思いを感じますよね。

例えは誰もがわかる内容に絞る

遠い昔、桃太郎は、信頼できる仲間たちを引き連れ、強大な鬼を倒しに鬼ヶ島に乗り込みました。

桃太郎って、めちゃくちゃわかりやすい例えですよね。

このように例えってわかりやすくないと、その効果が十二分に発揮されません。

日本人で桃太郎知らない人っていないですよね。

そういう誰もが知っているコンテンツで例えることで、一気にわかりやすさが変わってきます。

わかりやすいは神。

例えを使うときに気にかけられるといいですね。

そして最後は……

今、この文章を読んでいるあなたを、「伊良コーラ」という物語の生き証人にさせてください。

という言葉で結んでいます。

定形っぽくはありますが、ここまでの文章の流れが良すぎるのでスーッと入ってくる。

文章の印象って最初と最後(特に最後)に残りやすいので、結びの文章にはかなり気を使った方がいいです。

コース料理を食べてデザートの印象が強く残るのも同じ理由。

プロジェクトにかける熱い思いを簡潔に伝えましょう。

写真のクオリティーが高い

あらためてプロジェクトページで使われている写真をご覧ください。

とてもクオリティが高いです。

こちらの動画にもありますが、ちゃんとクラファン用に撮影してるんですよね。

プロジェクトメンバーが全員写っていて100点。

スマホではなくてちゃんと一眼で撮ってるのがわかります。

プロに撮影してもらうのが一番ですが、費用もかかるので厳しい……という方はせめてカメラが好きな知人友人に撮影してもらうのが吉。

どこにどんな写真を配置するのか、死ぬほど考えましょう。


動画を有効的に使う

動画も効果的に使われていて素晴らしい!

クラウドファンディングと同時にSNSを始める方も多いと思いますが、この組み合わせはまちがいないです。

めちゃくちゃ相性がいいです。

クラウドファンディング期間中は注目が集まりやすく、SNSのフォロワーが増えやすい。

スーパーマリオで言ったら「スター状態」みたいなのもの。

ピカピカ光を放っているうちにフォロワーにチャンネル登録者にガンガン集めましょう。

クラウドファンディングが終わってもファンでいてもらうためにSNSは欠かせません。

むしろそちらの方が大切ですので、しっかり設計しておきましょう。


【改善点】支援0のリターンについて

「伊良コーラの定期便」というリターンがひとつも出てません。

こちら伊良コーラの通販サイトでも販売しているので、通常商品であることがわかります。

で、あればどれくらい売れるのかは予想できたんじゃないか……と。

なるべくなら「支援0」のリターンは出したくないですよね。

全部で20個くらいリターンがありますが、少し多いのかな〜という印象を受けました。

リターンは最初から全部出すのではなく、プロジェクト期間中でも追加することができます。

このあたりの駆引きもおもしろいところ。

将棋や囲碁のように戦局に応じて臨機応変に対応したいところです。

もひとつ。

このプロジェクトでは「5,500円」のコーラとシロップの詰め合わせが一番たくさん出ています(111名が支援)。

ここがもったいないな〜と。

クラファンの支援金額の平均がだいたい1万円くらいなんですね。

ということから考えて1万円くらいの商品が一番たくさん出るんです。

なので4,500円分、もったいないと。

こちらも通常商品なので、仕方ないかもしれませんが……。

クラウドファンディングのリターン限定で1万円くらいの商品をつくってもよかったんじゃないかと思いました。


最後に……

この記事を書くにあたって何度もプロジェクトページを見返しましたが、とても魅力的で思わず支援したくなる要素が散りばめられているなぁと。

クラフトコーラというアイディアはもちろんですが、売れる人は何でもできちゃうんだな……羨ましい。

こちらの記事でも伊良コーラについて詳しく書いてあるのでぜひ。

商品のブランディングなどについて知ることができます。

コーラに限らず商品のクオリティーが高いことは当たり前で、いかにそれを魅力的にみせるかが鍵を握っている。

そこってやっぱり「人」だよな〜とつくづく感じる今日このごろ。

プロジェクトオーナーのコーラ小林さん、応援したくなる雰囲気に満ちあふれてます。

応援させてくださいっ!!



新潟県でカメラマンとして活動しています。特に飲食店などのメニュー撮影、ブツ撮りに定評あり。ポートフォリオ→https://jinbo-lab.jp/。一般社団法人 愛南魚沼みらい塾理事。1980年生まれ。