講師としてリモート授業を体験して気づいたこと
ご近所の高校へ出前授業へ。
「総合的な探究授業」のなかで専門家にインタビューするプロジェクトがあり、所属する一般社団法人『愛 南魚沼みらい塾』を通して依頼をいただきました。
総合的な探究の時間とは
総合的な学習(探究)の時間は、変化の激しい社会に対応して、探究的な見方・考え方を働かせ、横断的・総合的な学習を行うことを通して、よりよく課題を解決し、自己の生き方を考えていくための資質・能力を育成することを目標にしていることから、これからの時代においてますます重要な役割を果たすものである。
総合的な学習(探究)の時間
2022年度から本格的にはじまる、生徒が主体的に課題を設定し、情報の収集や整理・分析をしてまとめるといった能力の育成を目的とした授業となります。
学習対象や学習領域が特定の教科や科目等にとらわれず、分野を超えて総合的でなければならないところが、学校だけで対応するのが難しいところと言われています。
今回のように「生徒の興味がある分野の専門家にインタビューをお願いして、それをまとめたりコンテンツ化する授業にしたい」となっても学校にはそのノウハウや繋がりが少ないのが現状。
そこで頼りにしてほしいのが『愛 南魚沼みらい塾』なのです(手前味噌)。
まず学校が生徒に「どんな分野に興味があるのか」というアンケートをとります(教育・地球科学・芸術など)。アンケートをまとめて生徒をバランスよく分野ごとに割り当てます(今回は30分野)。ここまでが学校の役割。
そこから、その分野の専門家をみらい塾でマッチングさせていただくという役割です。30分野30名……よく集めたなぁと。笑
私はお一方しか紹介できなかったので、ほかの理事の顔の広さに圧倒されつつ、代わりに別の形で貢献させていただくということで「インタビューのまとめ方」について40分程度話をさせていただくことになりました。
学校に行けない
1週間ほど前からスライドをつくって構想を練っていたのですが、担当の先生から直前になってこんな連絡が……
「リモート授業になるのですが大丈夫でしょうか?」
コロナウィルスの影響で生徒が学校に登校できず、授業は各自自宅でリモートで受けるということになってしまったとのこと。
いま巷で噂のリモート授業が講師として体験できるということで、逆にテンションが上がったのは私が変態だからでしょうか。いままでZOOMを使った打ち合わせや、講義などを何度も経験しているので、リモート授業と聞いてそこまで違和感がなかったというのが正直なところ。
スライドを完成させて、いざ本番!!
2台のiPadに向かってスライドを見せながら話をさせていただきました(今回はグーグルミート)。
生徒のカメラとマイクは全員オフになってますので、まったく反応が得られません。唯一のリアクションは教室で見守ってくれる先生方々。
現役の先生の前でリモート授業するという、よく考えたらかなりの謎設定。こちらの学校でリモート授業をはじめたのは1週間前からで、先生方々も試行錯誤しているとのことでした。
マイペースと緊張感
ちなみに私の視界はこんな感じです。自分で画面の向こうの自分に語りかける状態で、たまに生徒が「挙手機能」を使ってリアクションしてくれます。
まず、わかっていたことですが「リアクションがない」という違和感に襲われました。何を伝えてもiPadは頷きもしないし、まばたきもしません。しかし、慣れるもんですね。5分もすると「リアクションがない方がマイペースで進められるなぁ」と感じました。これはこれでありかも……。
人間の順応性たるや。笑
とはいえ対面授業でしか感じられないこともあると、リモート授業をしてみて気づきました。実は今回の授業は2回目で、1回目の授業は対面でさせてもらったんですね。そのときは170名の生徒が目の前にいました。
体育館の冷たさとか、突き刺さる目線とか、あれがいい緊張感を生むんですよね。そのなかで生徒のリアクションを見ながら話の内容を変えたり、脱線したりする、このやりとりがおもしろい。
ウケたなぁと思ったら、一旦そこで話を広げてみるとか。反応イマイチだなぁ、と思ったら速攻で撤収するとか。笑
ビリビリとしたライブ感がそこにはありました。あのビリビリ感はやっぱり現場でしか味わえない。
あれ割と好きなんです。
まとめ
リモート授業を体験した感想
リアクションを気にしなくていいのでマイペースで淡々と進められる。
対面授業のライブ感、ビリビリ感の尊さをあらためて感じた。
これから大きく変化するであろう教育改革を体験できた気がする。
もはやリモートが「いい」とか「悪い」とか言ってられる状態ではなく、何とかして教育をこどもたちに届けなくてはなりません。あらゆる手段を使って。学校や国に任せきりにならず、親ももっともっとこのことについて考えるべきだと感じました。
また、この窮地を何とか乗り越えようとがんばっている現場の先生方々には本当に頭が下がります。コロナ禍という台風のなかで生徒たちが吹き飛ばされないように守ったり、進むべき道を指し示す姿に感銘を受けました。ものすごい変化を求められていると思います。
だからこそ、みらい塾としてお手伝いができることがあれば……と考えております。なんでも相談していただければと!!連絡お待ちしております。
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新潟県でカメラマンとして活動しています。特に飲食店などのメニュー撮影、ブツ撮りに定評あり。ポートフォリオ→https://jinbo-lab.jp/。一般社団法人 愛南魚沼みらい塾理事。1980年生まれ。