プラモ神姫のドールアイ化加工
ⅩⅩⅦ,プラモ神姫のドールアイ化加工
ドールアイ化の加工については、以前の記事でも触れたことがあります。
その時は旧MMSの武装神姫についてでしたが、今回はプラキットで発売されている武装神姫についての記事になります。
(旧MMS武装神姫のドールアイ化加工は以下のリンクからどうぞ)
さて、この加工をするならば旧MMS武装神姫のヘッドパーツより、現在発売されているプラモ神姫を始め、美少女プラモのヘッドパーツの方が圧倒的に楽です(旧MMS神姫はヘッドパーツがPVCのムクなので、加工する部分が多く、かつ軟質素材を薄く削るのは難易度が高い、という理由でした)。
今回は頭部が硬質かつ中空なため、加工難度は圧倒的に下がります。
また、ドールアイも自作ではなく、booth等で入手できるディーラー様の作品を使います(今回はめだまや様のアイを使っています)。
美少女プラモなどには流用の利く技術ですので、画像多めで、加工の手順を詳細に見ていこうと思います。
ご興味おありの方はお付き合いください。
使用する道具と材料
まずは道具です。
以前の記事で挙げたものと大差ありませんが、順に見ていきます(販売リンクは省略します)。
必要な道具
・ピンバイス(1.5mm程度~)
・ハンドリューター(球ビット)
・デザインナイフ、マイクロナイフ
・ニッパー
あると便利な道具
・ピンセット、ラジオペンチ等
・爪楊枝や竹串等
材料
・フェイスパーツ(アイプリントがある方が楽)
・ドールアイ
・ひっつき虫、ブルタック等、アイを固定するためのもの
加工手順
1.ピンバイスで穴を開ける
まずはピンバイスで瞳の部分を目安に穴を開けます。
今回は1.5mmのドリルで開口しました。
大きい穴を開けた方がナイフで削る部分は少なくなりますが、あまり大きすぎると残すべき部分にも傷をつけてしまうので、黒目部分を目安にドリルを選びましょう。
また、ドリルが滑るとやはり不要の傷をつける原因になります。
出来たらさらに径の小さいドリルでガイドになる穴を軽く穿っておくか、デザインナイフで抉るかして、ドリルの先端がズレないようにしておくといいでしょう。
2.デザインナイフで穴を浅く広げる
次に、穴の周囲をナイフで削って広げていきます。
削る範囲は白目部分を目安にしますが、この段階で白目をすべて削り落としてはいけません。
残した余白部分はリューターで裏側を削る際、誤ってアイライン(黒い線の部分)を削らないようにするための、保険となります。
最終的に白目部分はすべて取り除くことになりますが、少しずつ調整しながら削る方が作業も楽です。
よって、この段階では白目部分は0.5mm程度の幅を残しておきます。
また、穴を広げる際も一気に切り取ろうとすると失敗の元なので、少しずつ何度も削るようにした方が失敗を防ぐことに繋がります。
3.マイクロナイフなどで穴を深く削る
先程広げた部分を深く掘り、反対側まで貫通させます。
この段階では白目部分の下の、露出した肌色部分を削り落とし、穴を広げないように注意します。
やはり一度に大きく削ろうとすると失敗の元ですので、少しずつ慎重に削っていくのが大切です。
また、この加工はデザインナイフでもできますが、余計な傷をつけないように注意が必要になります。
もしお持ちならマイクロナイフなどの刃が小さいものを使った方が楽ですし、最近では100均でもタングステン鋼のマイクロナイフが売っています。
ボールペンのようにノック式で刃を出す物で、軸が貧弱だったので、ぼくは同じく100均のアルミ製ナイフの軸頭に、ピンバイスで穴を開けたものに差し替えて使っています(道具の画像の銀色のやつです)。
4.リューターでフェイスパーツの裏側を削る
次にフェイスパーツの裏側を、リューターで薄く削っていきます。
表側からはあまり変化が見られませんが、ここではアイがアイラインに密着できるように、すり鉢状に削ります。
この時、アイラインの縁は薄く削った方がアイが密着してきれいに仕上がりますが、薄く削るのは難易度が高めの加工です。
リューターが滑って表のアイラインを傷つけてしまうことや、誤って貫通させてしまうなど、失敗の種が多い加工ですので、細心の注意が必要です。
リューターの回転速度を調節できるものをお持ちならば、できればこの加工は回転速度を落として少しずつ、ビットが滑らないように進めた方が安全です。
また、この段階では何度も実際にアイをはめ込んで、自分のイメージ通りにはめることができるかを確認しながら進めましょう。
アイラインを薄く加工するだけでなく、アイがはまるスペースを十分確保することもポイントなので、出来ればアイと同じサイズの球形ビットがあると楽です。
5.反対側のアイホールを加工する
片側が思い通りに加工出来たら、1~4の手順を反対側で繰り返します。
焦らず、慎重に作業を進めましょう。
アイをしっかり密着させようとすると、中央や上側のダボも多少削ることになります。
ここは多少削っても問題ありませんので、アイの密着度を優先して加工してください。
ひっつき虫を使ってアイを仮固定し、ちゃんと理想の状態になるかを確認します。
この段階では仮固定なので、ある程度雑にでも、固定が出来れば問題ありませんが、視線の向きなどこだわりがある場合は、ちゃんとその状態が作れるかどうかを確認してください。
このときにラジオペンチやピンセット、竹串などでアイの向きを操作しながらひっつき虫で固定することになりますが、不慣れだと思い通りにアイを動かすのは結構難しいです。
これは繰り返し練習が必要なので、こだわりがある方は頑張ってください。
6.アイがはまるように加工する
めだまや様のアイは、裏側に視線を動かす用のツマミがついています。
しかし、これがあるとメガミデバイスの頭部にははまらないので、これを切り取ります。
あるいは、赤い丸部分をごっそり削り落とし、ツマミを逃がす必要があります。
アイを入れた後に視線を動かしたい場合は頭部を加工した方がいいですし、視線が固定でも構わない場合はツマミを切り落とした方が楽です。
(※現在、めだまや様は奥行きの少ない半球状アイを開発中だそうです、そのアイならばこの加工は不要となります)
7.ひっつき虫をフェイスパーツに詰め込む
アイを固定するためのひっつき虫をフェイスに入れていきます。
これはアイさえ固定できればどういう方法でもいいのですが、ぼくなりの手順を解説します。
まず、ひっつき虫が多すぎるとアイホールからはみ出てしまうので、固定できる適量を入れる必要があります。
はみ出た部分を取り除くこともできますが、視線が変わってしまうなどのデメリットもあるので、出来たら入れすぎない方が楽です。
まず、鼻筋あたりに詰め込みます。
この時、ピンセットや竹串などでひっつき虫をフェイスに押し付けるようにして詰め込みます。
この時、先端が細い物だとひっつき虫が道具側にくっついてしまうので、先端が太い、竹串の尻などで押し込むと楽にひっつき虫を詰め込むことができます。
続いて、目の下側、額側にもひっつき虫を入れていきます。
アイホールの縁にはひっつき虫が少なくなるように詰め込めるとはみ出すことが少なくなります。
もしはみ出てしまっても、固定後に爪楊枝などで取り除くこともできますので、そこまで神経質になる必要はありません。
ひっつき虫の準備が出来たらアイを固定します。
視線の向きなどに拘る場合は、何度もひっくり返しながら、爪楊枝やラジオペンチなどで調整してください。
8.頭部にフェイスを組みつけて、完成
調整が満足出来たら、頭部に組み付けて完成です。
ぼくの場合は慣れていることもあり、完成までざっくり二時間程度の作業ですが、不慣れな場合は時間をかけた方がいいと思います。
特に、アイペイントがあるフェイスを使うとアイホールの位置を決めるのはとても楽ですが、アイラインや眉などに傷をつけてしまうと自分で描き直さなければなりません。
その点はアイペイントなしのフェイスを使う方が気が楽なので、どちらを選ぶにしても良し悪しがあります。
いずれにしても、慎重に時間をかけて、ゆっくり進めるのが成功のポイントだと思います。
また、ナイフでの精密作業は、単に押し切るやり方だけでは余計な傷をつけることも多いと思います。
出来たら、ナイフの刃先を円弧状に動かして切断したり、刃先を突きさす動きで刺し切るなどの使い方が出来ていると、多少楽に作業することが出来ると思います。
ナイフで対象を斬るときは、対象に沿って刃を滑らせたり、弧を描く動きをするとしっかり斬ることが出来ます。
単に鋭さで押し切るよりも力がかからず、対象を折ることもないので、プラモのバリ取りにも使える動きですので、覚えておくといいと思います。
また、先端を使って刺し切る動きは、刃を左右に動かさなくてもいいので、アイホールを深く掘るときのように、あまりナイフを動かすスペースが取れない時には便利な動きです。
マイクロナイフなどがない場合は、ナイフの動かし方でカバーすることが出来ると上手く加工ができると思います。
いかがでしたでしょうか。
昨今は秋葉原のいのう商店様や日本橋のいろしか様などの実店舗でも美少女プラモに使えるドールアイを扱う店舗は増えましたし、booth等で入手する機会は増えていると感じています。
デカールやアイペイントなどと比べて加工技術は必要ですが、ドールアイ化に挑戦してみたいという方の一助になりましたら幸いです。
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