美プラのレビュー その9

美プラのレビュー その9
プラフィア

美プラの簡易レビュー第9回はPLAMのプラフィアを扱います。
プラフィアもシリーズとしてはずんだもんやスカッとゴルフパンヤなどのキャラクターを再現したブランドになりますので、感覚としてはFigurerise Standardに近いイメージです。
尤も、プラフィアの方はかなりデフォルメの利いたキャラクターを扱っていますので、全く同じ系統として理解するのは避けた方がいいとは思います。

例によって、『美プラに興味はあるけど、何を買ったらいいか分からない』という方の手がかりになれば、という目的になりますので、この記事を読んで興味を持った、もっと詳細に知りたいという場合は別のレビューを参考にされることをお勧めします。
また、今回もキャラ再現という方向性の為、表現の幅や付属パーツの選定基準がキットごとに異なります。
そのため、評価試験に用いたキットの基準がすべてに適用されているわけではありませんので、その点はよくご注意ください。

それではいつも通り、基本データと評価項目の簡易レビューから参ります。

ブランド名
プラフィア
(評価試験用にずんだもんを使用)

メーカー
PLAM

入手性(買いやすさ)

拡張性(組み換えしやすさ)

キャラクターキットなので、組み換えやカスタムはあまり想定されていない上、同ブランドの中でもデフォルメの具合が異なるのでパーツの流用は難しい。
他社製品との組み換えも同様。

布服(布服着用のしやすさ)

そもそもキャラクターが着用しているコスチュームをキットのボディとして構成しているので、改めて布服を着せたいのであれば別の素体を用意する方が楽。
未検証ではあるものの、その場合はねんどろいどドールの素体などが適当か?

小物(社外製品の小物との組み合わせやすさ)
未評価(キット次第)
評価試験に用いたずんだもんは握り手の付属がないので、相性は△。
スカッとゴルフパンヤのキャラクターには握り手が付属する。
前回同様、キャラごとにパーツ選定基準が異なるので、今回も未評価とした。

価格(手に取りやすい価格帯か)
○⁻
4000円~5000円台。
パーツ点数や付属品の量の割には高価に感じる。
BANDAIのキットと比べたらダメ。

組立てやすさ
○⁻
細かいパーツもあり、接着してしまった方が安心な部分もある。

体形
SS
素体として一番近いのはチトセリウムの双子(エフェル・アルベラ)。
それよりも若干小さいくらい。

可動
○⁻
それほど動かないけれど、まぁ、キャラクター再現としては必要充分。

各部軸径

それではここから詳細に確認していきましょう。
プラフィアはPLAMから販売されているデフォルメキャラクターを再現したキットシリーズです。
キャラクター再現ブランドという意味ではFigurerise Standardの方向性が近いと言えるでしょう。
オリジナルのキャラクターを扱う他社の美プラブランドとは、その辺りから毛色が異なります。

Figurerise Standardとの違いはデフォルメ体形のキャラクターを扱っている点でしょう。
頭身が低く、手足も短いので、素体としては他社の美プラよりだいぶ小さいのも特徴です。
また、構造的にも癖があり、胴体部に関節がない、首が固定など、あまり可動範囲が広いとは言えません(スカッとゴルフパンヤのケンなどは胴体部にも関節はありそうですが、未検証)。
とはいえ、ずんだもん自身がそんなに派手なアクションを必要としないキャラクターですので、まぁ、必要十分程度には動く印象で、強い不満は感じませんでした。

パーツ点数が少なく、製作にかかるカロリーは低めですが、半面各パーツや軸などは細かく、破損や紛失には注意が必要だと感じました。
特に装飾などのパーツは非常に細かく、接着してしまった方が安心できる個所がありましたので、組み立ての際には瞬着の用意があるといいでしょう。
説明書もBANDAIやKOTOBUKIYAに比べてしまうと少し独特なので、よく確認しながら進めるのが良いと思います。
その意味では、初心者にお勧めはしにくい面があります。

構造的にはデフォルメ体形のブランドなので、他シリーズや他社製品とのミキシングは期待できないと思った方がいいでしょう。
むしろ、単体として扱うべき、組み立ての必要なフィギュアという感覚でいる方が正確だと思います。
ずんだもんには握り手や持ち手が付属しない、フラットな素体が作れないという点から、小物と絡めたり布服を着せたりという遊びとは相性が良くありません。
また、同ブランドのキットには持ち手が付属するキットもありますが、デフォルメの具合がだいぶ異なるので、そこから流用するのも不向きです(ずんだもんは手足が非常に小さいが、ケンやクーは末端肥大気味で手足が大きいため)。

また、価格帯としては5000円以下の、美プラとしては低い価格帯のブランドですが、その価格帯には30MSがいるので、どうしても割高に感じやすいです。
とは言え、プラフィアはキャラクター再現のキットですので、そのキャラクターが好きで、プラモが欲しい、とお考えならば唯一の選択肢であるのは間違いないと思います。
その辺りの感覚は、個々人で変わってくる点でしょう。

総評としては、キャラクタープラモなので、自分独自のキャラを作るより、キャラごとの世界観やキャラクターに寄せた楽しみ方の方が向いていると言えます。
その意味では、小物や布服との相性が良くない、というのもそこまで大きなデメリットにはならないでしょう(個人的には、それでも持ち手くらいは欲しいと思いましたが、今後その辺りを改良したキットも出るようなので)。

また、互換性として、手首・足首は美プラの主流である軸径が採用されているので、SSサイズの手足が付属するキット、とも言えます(尤も、パーツ取り目的でこのブランドを買う方は少ないとは思いますけれど)。

いかがでしたでしょうか。
正直、前回・今回はキャラクターキットの側面が非常に強いので、美プラという括りに納めるべきかは少々迷いました(キャラクター再現のプラモという意味では、個人的な感覚としてはガンプラに近いような・・・)。
が、まぁ、せっかくの機会なので、色々触って、組んで、比較の俎上に上げてみた方が有益かと思い、記事として扱うことにしました。

この記事が、美プラに興味はあるけど何から手を出していいか分からない、という方の助けになれば幸いです。

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