美プラのレビュー その6

美プラのレビュー その6
30MINUTES SISTERS(30MS)

美プラの簡易レビュー第6回はBANDAIの30MSを扱います。
プラモデル業界の大御所BANDAIがオリジナルコンテンツで美プラ戦国時代に参戦した、という大きな契機となったブランドです。

今回も例によって、『美プラに興味はあるけど、何を買ったらいいか分からない』という方の手がかりになれば、という目的になりますので、この記事を読んで興味を持った、もっと詳細に知りたいという場合は別のレビューを参考にされることをお勧めします。

それではいつも通り、基本データと評価項目の簡易レビューから参ります。

ブランド名
30MINUTES SISTERS(30MS)
(評価試験用にティアーシャを使用)

メーカー
BANDAI

入手性(買いやすさ)

オプションは欲しいものも探すなら、時期を逃すと面倒。
最悪、ガンダムベースでも扱っているので・・・

拡張性(組み換えしやすさ)
○⁺
同社の30MS、30MFや30MS同士の互換は◎。

布服(布服着用のしやすさ)

フラットな素体は作りやすい。
(オプションパーツセットを別途買う必要はある)

小物(社外製品の小物との組み合わせやすさ)

価格(手に取りやすい価格帯か)

2000円~4000円台。
ハンドパーツは600円程度、ボディパーツもシンプルなものは800円程度(コスチュームパーツは1500円程度)でフェイスパーツは1400円程。
単体を考えると安価だが、充分なオプションを同時に買うと、言うほど安くはなくなってしまう。

組立てやすさ

パーツ数も少ないので、サクサク組み立てられる。

体形
M⁻
メガミデバイスより少し小さいくらい。

可動
○⁻
パーツ点数の少なさもあって、必要充分というには少し物足りない。
特に膝の二重関節は仮面ライダー系のFigure-rise Standardと同系統の作りで、好みは分かれるかもしれない。
ただし、価格相応ではあると判断。

各部軸径

それでは詳細に見ていきましょう。
30MSはBANDAIのオリジナルコンテンツ、30MINUTES MISSIONSや同系のブランド30MINUTES FANTASYとの互換をセールスポイントに据えた美プラブランドです。
Figure-rise Standardが版権キャラの再現であるのに対し、こちらはオリジナルのキャラを扱ったキットになります。

入手性は割と高く、ガンプラベースでも取り扱っているので、現地に行けば他の美プラブランドに比べて供給は多いと思います。
また、水着素体や肌手足などのオプションパーツも展開しているので、フラットな素体は作りやすいため、布服とは合わせやすいと言えます。
さらには組み立ては非常に簡単で、説明書も分かりやすいため、安価なことと併せて初心者がお試しで「美プラがどんなものか知りたい」という場合にはお勧めできるブランドです。

また、同社製品との組み換えを謳ったブランドだけに、30MINUTESシリーズのパーツとの互換性は高いです。
ただ、やはり多少の規格の違いがあるのですべてのパーツがそのまま流用出来るわけではありません。
特に、30MSのハンドパーツは硬質なので、グリップのサイズがジャストでないものは使いにくいです。
また、そのために他から持ってきた小物との相性も良くはありません。

加えて、他社製品と比べて非常に安価なブランドですが、その分前後屈を始めとした可動には多少の不満が残りましたし、ハンドパーツの種類も最低限しか付属しないなどのデメリットもありました。

これはブランドの方針として、基本的な最低限のパーツのみを同梱したキットであり、不足を感じる人はオプションパーツを追加で購入する、というイメージの販売戦略の為だと思われます。
そのため、オプション類は豊富に発売されていますが、追加でパーツをちょこちょこ買っていると、標準的な美プラと同程度か、少し安い?程度になってしまうことも考えられます。

また、材質がABSではなくPS製で、他社製の美プラに比べて柔らかく粘りがある印象でした。
その意味では、他の美プラより尖っている部分が刺さる!とか折れやすい欠けやすい!とかいうことは少ないのではないかと思います。

以前はBANDAIの美少女プラモ、というとフェイスプリントが微妙・・・という評価でしたが、初期のHGBFすーぱーふみな等に比べると圧倒的に進化しています。
この辺りはFigure-rise Standardなどで様々な美少女キットを扱ってきた経験値が活用されているためだと思われますが、その頃の評価はすでに過去のものだと思っていいでしょう。

総評としては、価格相応ではありますし、全くのプラモデル初心者の方が美プラの入門編として選択するにはいいキットですし、大変お勧めできるブランドです。
また、楽しみ方としては30MMや30MS同士の組み換えこそが真価であると言えますし、いわゆるプラモデルとしての楽しみ方よりは、必要なパーツを必要なだけ追加で購入し、有形ブロック玩具的な組み換え遊びが楽しみたい方にも大変お勧めできるブランドです。
硬質の手首は個人的には扱いにくく、好みではありませんが、2.5mmの軸を持つリストジョイントのキットからパーツを流用すれば、軟質手首と交換することも出来ます(現時点ではまだ記事には起こしていませんが、ギルティプリンセスというブランドの美プラは手首軸が腕側2.5mmで指側2mmなので、大抵の美プラのハンドパーツが流用出来るようになります)
ハンドパーツの交換が出来るならば、30MSの大きな不満点は解消できることになりますので、もしよければご一考ください。

いかがでしたでしょうか。
30MSは各部が徹底して3mm軸で接続されているので、美プラではありませんがガンプラとの組み合わせも、まぁ出来なくはないのだな、という印象です。
その意味では、本当に有形ブロック的な遊び方が楽しめるブランドだと、個人的には思っています。
この記事が、美プラに興味はあるけど何から手を出していいか分からない、という方の助けになれば幸いです。


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