美プラのレビュー その2
美プラのレビュー その2
VARIABLE FIGHTER GIRLS(VFG)
さて、前回に続いて美少女プラモの簡易レビューです。
今回はAOSIMA(青島文化教材社)のVARIABLE FIGHTER GIRLS(VFG)を扱います。
例によって、『美プラに興味はあるけど、何を買ったらいいか分からない』という方の手がかりになれば、という目的になります。
特にキットの魅力を伝える、と言うよりは、どんな遊び方に向いているか、ということに焦点を絞っていますので、このレビューを読んでもっとキットの魅力を知りたい!となった方は他のレビューを探してみることをお勧めします。
さて、それではまずは基本のデータと評価項目の簡易レビューから参ります。
ブランド名
VARIABLE FIGHTER GIRLS(VFG)
(評価試験用にマクロスF VF-25F メサイア ランカ・リーを使用)
メーカー
AOSIMA(青島文化教材社)
入手性(買いやすさ)
○
拡張性(組み換えしやすさ)
△(ただし、キット同梱のパーツ類は豊富)
布服(布服着用のしやすさ)
◎
小物(社外製品の小物との組み合わせやすさ)
◎
価格(手に取りやすい価格帯か)
△
大体のキットが10000円台。
プレイバリューは高いが、引き換えに高額キット化している。
中古市場まで見れば定価割れの品も見つかるが・・・
組立てやすさ
○⁻
バルキリーや選択式のパーツまで全部作ると、量が大変多いのでハイカロリーなキット。
ただ、組みにくかったり難しかったりするわけではない。
説明書はBANDAIやKOTOBUKIYAに比べると、少し分かりにくい。
体形
M
メガミデバイスと同程度。
手足の太さはキャラクターに準拠。
可動
○
前後屈は苦手だが、それ以外は概ね必要充分な範囲で動く。
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各部軸径
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(204.11.13 画像追加)
それでは、ここから詳細に見ていきましょう。
VARIABLE FIGHTER GIRLSは模型業界の狂犬と名高い(失礼)、青島文化教材社が作った美少女プラモブランドです。
スケールモデルメーカーと言えるアオシマが作ったにしては非常によくまとまっていて、BANDAIやKOTOBUKIYAのキットに比べても遜色のない製品に仕上がっています。
特筆すべきは、プレイバリューが非常に高く、キット単体で満足の出来る内容になっている。例えば、武装手足+肌色手足+黒手足(ボディスーツカラー)が同梱されていて選ぶことが出来、胴体部も肌色と黒で選んで組み立てることが出来ます。
ハンドパーツもバリエーションが豊富で、付属数も多いですし、武装もバリエーションをカバーして複数付属する豪華な使用です。
付属するバルキリーも単体でファイターとガウォーク形態になり、合体して武装にもなります(合体形態がバトロイド扱いなので、単体でのバトロイド形態は再現できません)。
素体もフラットな状態を作りやすく、軟質ハンドパーツは3.5mmのグリップで、太いパーツにも対応しています。
そのため、布服や小物と絡めるのには向いていると言えるでしょう。
(ハンドパーツはキットによって仕様が異なるらしいので、購入前に要確認、個人的には未検証)
組立ては、全てを組み立てるとパーツ数が多くてハイカロリーではあるものの、決して複雑なキットだとか、組むのが難しいキットだとかではないので、時間をかければそこまで大変ではありません。
ただし、説明書はスケールモデルのそれに近いので、BANDAIやKOTOBUKIYAの説明書よりは少々分かりにくく、バルキリーを組む際には戸惑うことがあるかもしれない、と言う程度です。
可動としてはメガミデバイスには多少劣るものの、十分によく動く部類です。
評価としては大変良いものなのですが、初心者にお勧めしにくい点は、10000円を超える高額の大型キットであることでしょうか。
また、ブランドの性質としてもマクロスのキャラクターキットなので、マクロスという作品やバルキリーという機体、そのキャラクターが好きであれば充分お勧めは出来ますが、そうでない人に敢えて、というのは中々お勧めしにくいと言えるでしょう。
もう一点としては、経年で関節が緩くなりやすいという報告があります(個人的には未確認なので、要検証)ので、関節の渋さを調整したり、逆に関節が割れたりした場合の補修方法やパーツの請求方法を知っておくと良いかもしれません。
加えて、他社製品との互換性は低いので、単一のキットや同ブランドのキットを並べて楽しむ遊び方には向くブランドであると思います。
また、リリースの時期によっては同シリーズの製品でも各部の仕様が改められているので、同ブランド内でも組み換えなどに対応していない部分があるという点も注意が必要でしょう。
少なくとも手首のジョイントは、時期によってはボールジョイント接続の製品もあるそうで、互換性は完全には担保されていないと思っておくべきでしょう。
総評としては、キット単体としてみた場合の出来は非常に高く評価が出来ますし、とても畑違いのメーカーの製品とは思えないレベルです。
付属品も豊富なので、プレイバリューはとても高いと言えるでしょう。
さらには布服や小物との相性もいいですし、可動にも不満点はあまりありませんでした(前後屈は、ほとんどのブランドのキットが苦手な動きですので)。
バルキリーの組み立てはスケールモデルに不慣れだと少々戸惑うかもしれませんが、それとて滅茶苦茶に分かりにくい不親切な使用、ということは全くありませんので、よく読んで落ち着いて組み立てれば、そこまで難しくはないと思います。
デメリットとしてはパーツ点数相応の価格なので、替えの手首や武装のバリエーションなどを使いこなせないと、とても割高に感じる額であると思います。
また、相応の時間を要求されるハイカロリーなキットでもありますので、初心者の方などは作っても作って終わらない、という感覚に陥るかもしれません。
加えて他社製品との互換性は低いので、その辺りをお求めの方はマシニーカ素体を採用しているキットの方をお勧めします。
いかがでしたでしょうか。
今回も、遊び方の向き不向きを中心に記事を作成しましたが、これらは決して優劣ではなく、あくまで向き不向きの問題であると思っています。
また、不向きであるからその遊び方は不可能だ、ということでもありません。
ただ、不向きな遊び方を強いるのは、割と製品によってもユーザーにとっても難しい話になってしまいますので、これから相棒を選ぶ方には、より良い出会いをしてほしく思います。
次回はちょっと寄り道をして、美プラに布服を着せるのはそもそも向かないというお話と、その解決方法をご紹介したいと思いますので、ご興味お持ちの方はそちらもよろしくお願いします。