洗浄作業の環境
ⅩⅩⅩ.洗浄作業の環境
さて、また少し間が開いてしまいましたが、今回は武装神姫を始めとしたフィギュアのお手入れについてです。
と言っても、洗浄については以前にも作業の方法や適した洗剤についての記事を上げています。
今回は洗浄作業をする際の道具や機材などの環境についてご紹介したいと思います。
普通に洗面台や浴室で作業をしてもいいと思いますが、やはりあると便利なものというのは、知っていて損はありません。
今回ご紹介するものは必須のものではありませんので、ご自身の環境に応じて要不要の判断をして頂ければと思います。
(ぼくの作業環境は、神姫の洗浄を一度に十体程度やるくらいの規模ですので、普通はここまで必要ないと思います)
それでは早速、順に見ていきましょう。
ご興味おありの方は、今回もお付き合いをお願いします。
1.作業環境
ぼくは洗浄作業は浴室で行っています。
作業には大量の水を使いますので、吸水と排水が整っていないといけません。
また、排水溝にゴミ取りネットが設けられているので、万が一細かいパーツが流れてしまった際にも多少安心できる、というのが主な理由です。
我が家の洗面台だと、排水溝に万一のパーツの受け皿が取り付けられないというのもありますし、まぁ、神姫素体を十体以上洗浄するなら広い作業スペースで座って作業したい、というのも理由のひとつです。
また、浴槽の残り湯などでも大まかな洗浄は出来ますし、浴槽に蓋をしておけば作業台代わりに使えるので、作業が立て込んだ時などはパーツや道具を持ち込んで、数時間風呂場に籠ったりしています。
ポイントは排水口に目の細かいネットなどをしっかり固定できる環境であること、でしょう。
当然パーツが流れないように工夫をするのは必要ですが、人間どんなに注意しても、ミスは起きます。
そのつもりで備えておく方が、後悔をしなくてすみます(n敗)。
2.道具類
ぼくが洗浄に使う道具は、主にこんな感じです。
と言っても、桶やバケツなどは洗浄作業のために用意したものとかではないので、日用で使っているものです。
洗浄作業の専用品はアルティメットコンテナに入れてまとめて動かせるようにしてある分だけになります。
順に見ていきましょう。
バケツは主にすすぎ用のお湯をためておくのに使います。
一度水道からバケツに受けるようにすると、パーツを水流で流されるリスクを減らせますし、作業中は水道お出しっぱなしにして貯めておくことも出来ます。
ただ、その場合は少量ずつ水を取れるように柄杓のようなものがあった方が便利です。
バケツに溜めた大量の水を、パーツを流してしまわないように必要な量だけ取る、というのは結構気を使いますし、重いので何度も繰り返すと体力を使いますから。
100均で売っているバットは、複数あった方が便利です。
ぼくは一度に3つか4つは使います。
ひとつはセスキの溶液を作って、洗浄前のパーツを沈めておく漬け置き用。
ひとつはタオルを敷いて、洗浄の終わったパーツを入れておく乾燥用。
あとは汚れの程度や種類によって、汚れの軽いものを分けておく用(ひどいものはつけ置きの中に入れっぱなしにして、程度が軽くてすぐ洗えるパーツをより分けておく)だったり、すすぎ用の真水に沈めておく用(分解できないパーツは真水に漬けておかないと、中に貯まった洗剤やセスキ溶液が残ってしまう)だったりで使っています。
この辺りは平らな洗面器でも代用できると思いますが、個人的には横に穴が開いているものが便利だと思っています。
横に開口部分があると、バットを傾けた時に少量ずつ排水が出来ますし、あちこちから流れ出てしまう、という事態をある程度防げます。
同じ形のものを一度に多めに買っておけば、使わない時も重ねてコンパクトに取っておけるので、便利です。
プッシュポンプは洗剤を取っておく用ですが、ポンプ部分は正直使っていません。
大事なのは、上部を外して置ける容器であること、です。
ぼくは洗浄に歯ブラシを使っていますが、作業中は上部を外して歯ブラシを直接突っ込めるようにしています。
また、セスキの後に洗剤の溶液に沈めることもありますので、ある程度の量を直接バットに注ぎ込める方が便利です。
また、ぼくの場合は洗剤を使う量も多く、大抵詰め替え用を買っているので、小分けにして取っておける容器はマストだ、というのもあります。
大量の作業でない場合は普通の容器で問題ないと思いますが、大量の作業をこなす場合はこういう省力化の工夫があると(本当に多少ですが)楽が出来ます。
水切りネットは、洗浄作業でとても重要です。
ぼくは個人的に、レック株式会社の立てる水切りネット、という製品を使っています。
このネットは適度に硬く、頑丈なので、尖ったパーツを入れてもすぐ破けるということがないですし、手首用のスペーサーも通さない程度に目が細かいので、ロスト対策にはとてもいいと思っています。
ぼくは、お湯を張った洗面器やバットにこのネットを立てておき、洗剤を付けてこすったパーツをとりあえず放り込んで、ある程度パーツが貯まったら口を押えてバケツなどの深い容器に泳がせ、すすいでいます。
その後はネットに入れたままよく振って水切りにも使えますし、すすいだ後はバットやバケツの水をネットを通して排水すれば見落としたパーツも拾ってくれます。
あとは乾燥用のバットに敷くタオル類や汚れをこする用の歯ブラシなどですけど、これは普通のものでいいと思います。
タオル類に関しては、もし種類を選ぶことが出来るなら、濃い色と薄い色のものがそれぞれ充分枚数あると便利ですね。
パーツと反対の色を選んで敷くようにしていれば、繊維に絡まった細かいパーツを見落とすリスクが減りますし。
もしそんなに種類がなくても、パーツを拭いた後のタオルを机の上などで軽くゆすったり、手で全面をなでるようにすれば、見落としのパーツを発見することは出来ますので。
いかがでしたでしょうか。
MMSの武装神姫はもはや骨董品と言えるものですし、未開封で購入したとしても可塑剤の浸出などは避けられませんので、こうした作業を必要とするオーナー様方は少なくないと思います。
ぼくの作業は少数の神姫をちょっとだけ、という感じではないですので、おそらく普通のオーナー様方からすると大仰に思えるかもしれません。
ただ、便利な道具や作業の省力化については多少ご紹介が出来たのではないかな、と思いますので、ご自身の作業の環境や内容に合わせて、便利な部分をつまみ食いして頂ければいいかな、と思います。
少なくとも、ぼくの作業環境の完コピはお勧めしません。
ぼくは、洗浄作業が立て込むと、一日数時間の作業を一週間以上平気で続けますので。
模型は趣味なので、作業が辛くなってしまうと続きません。
少しでも楽な方法がありましたら、それを使って、長く神姫との毎日が続いていきますことを願って、今回は筆を置こうと思います。
今回もお付き合い頂き、ありがとうございました。