美プラのレビュー その4

美プラのレビュー その4
フレームアームズ・ガール(FAガール)

美プラの簡易レビュー第4回はKOTOBUKIYAのフレームアームズ・ガールを扱います。
恐らく、美少女プラモというジャンルでは先駆けとなったブランドのひとつではないでしょうか(無論、諸説ありますけれど)。

今回も例によって、『美プラに興味はあるけど、何を買ったらいいか分からない』という方の手がかりになれば、という目的になりますので、この記事を読んで興味を持った、もっと詳細に知りたいという場合は別のレビューを参考にされることをお勧めします。

それではいつも通り、基本データと評価項目の簡易レビューから参ります。

ブランド名
フレームアームズ・ガール(FAガール)
(評価試験用にレティシアを使用)

メーカー
KOTOBUKIYA

入手性(買いやすさ)

拡張性(組み換えしやすさ)

布服(布服着用のしやすさ)
○⁻
手足や胴体を完全にフラットな素体にするのは少し難しい(不可能、ではない)

小物(社外製品の小物との組み合わせやすさ)

価格(手に取りやすい価格帯か)
○⁺
6000円台~9000円台だが、武装パーツの量と大きさによるところが大きい。

組立てやすさ

ぼくが「組みやすい美プラ」を考える際の基準のひとつ。

体形
L
細身でスリムだが、頭身はメガミデバイスより頭一つ分くらい大きい。

可動
○⁺
腰の可動には少し慣れが必要。
後屈こそメガミデバイスに少し劣るものの、前屈は楽に出来る。

各部軸径

それでは詳細に見ていきましょう。
フレームアームズ・ガールはKOTOBUKIYAのメカキットシリーズ『フレームアームズ(FA)』に登場するメカを擬人化・美少女化したブランドです。
元ネタのFA同様、パーツの流用や組み換えが設計段階から視野に入っているため、同ブランド内だけでなくFAのパーツなども流用しやすい構造になっています。
また、武装を始め素体各部の軸径も3mm軸が基本であり、MSGなどのカスタムパーツや同社他ブランドのキットとの組み換えも大変相性の良い仕様になっています。
また、頭部を他の美プラと組み替えるための径違いのボールジョイントが付属するなどの配慮は流石と言えましょう。

美プラの先駆けと言えるキットだけあって、現在では多くのブランドが採用している素体の規格、マシニーカ規格の成立よりも古くから展開されているため、マシニーカは非採用ですが可動は非常に優秀な部類です。
また、ハンドパーツも軟質なので様々な小物と絡める遊びにも非常に向いています。
価格帯的には付属する武装パーツの量によって幅があり、素体中心のキットと武装がしっかり付属するキットを選ぶことも出来るので、ご自身のやりたい遊び方によってチョイス出来るのも製品仕様としては嬉しいですね。
体形的にはスマートですらっとしたモデル体型のキットが多く、その分恵体の太ましいキットは少ない印象です。

元がFAなので、手足や胴体などには機械的なディティールが入っており、メカパーツとの相性はとても高いと言えます。
これは前回扱ったアルカナディアとは真逆ですね。
反面、生身の手足や胴体などの生体パーツはすべてのキットには付属しないので、フレズヴェルグの水着素体やスティレットのスイムスーツVer.などの特別仕様のキットを選ぶ必要があり、用意するのは多少手間がかかります。
特に胴体部分から機械的ディティールを全部取り除く方法は限られてくる印象ですね。
手足に機械的なディティールが入っていてもいい、というならば布服との相性も悪くはないですが、背中のジョイントなどの余計な凹凸を作る部品は外しておいた方が無難でしょう。

また、新製品として組み立て塗装済みのFAガール、『P3』というシリーズや1/6サイズに大型化させたシリーズ『グランデスケール』というバリエーションも展開予定となっており、組み立てや塗装に自信のない方や、大きさと存在感を求める方にも希求力の高いブランドになりつつあります。
この辺りは今後の展開に注目したいところですね。

総評としては、大変にお勧めできるブランドのひとつです。
今回この記事のために改めてキットを組みましたが、思っていた以上に素直で組みやすく、動かしていても扱いやすい印象でした。
無論、キットの製造時期によっても多少の差異は出ると思いますが、お試しに新しいキットをひとつ、という選び方であれば十分に良さを味わえると思います。
また、価格やキットの内容も素体優先か武装優先かで選ぶことが出来、遊び方に合ったものを購入しやすいのも強みですね。
絶対にこのキットが欲しい!と言うのでなければ入手性も悪くはないと思いますし、限定キットのアレ!とか肌色生足が付いてるコレ!とかの選び方でなければ、ヨドバシ・ドット・コムのような家電量販店の通販などでも比較的購入しやすいのではないでしょうか。

特に今回評価試験用に選んだレティシアはハンドパーツの量も豊富でプレイバリューも高い割に素体中心の低価格キットでした。
マシニーカ規格採用前のブランドですが、可能な限りの配慮で互換性を確保している辺りも好感の持てるブランドと評価します。

いかがでしたでしょうか。
前回のアルカナディアとは真逆の、機械パーツ強め生体パーツ弱めのブランドですが、同ブランド内のパーツでもある程度は問題を解消できますし、価格やプレイバリューも、個人的には事前の印象に比べて大分評価が上がりました。
やはり知識や印象だけでなく、実際に手に取ってみるというのは非常に大事だと、改めて学ぶことが出来たと、個人的には嬉しく思っています。

さて、次回は一旦KOTOBUKIYAのキットを離れ、他のメーカーのブランドに触れたいと思います。
ご興味おありの方は、次回もよろしくお願いいたします。


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