美プラのレビュー その8
美プラのレビュー その8
Figurerise Standard
美プラの簡易レビュー第8回はBANDAIのFigurerise Standardを扱います。
30MSに続いて、BANDAIのブランドを扱うのは二回目ですね。
30MSがオリジナル路線のブランドであるのに対し、Figurerise Standardは版権キャラクターの再現路線なので、その点で方向性は大きく異なります。
今回も例によって、『美プラに興味はあるけど、何を買ったらいいか分からない』という方の手がかりになれば、という目的になりますので、この記事を読んで興味を持った、もっと詳細に知りたいという場合は別のレビューを参考にされることをお勧めします。
特に今回はキャラ再現という方向性の為、表現の幅や付属パーツの選定基準がキットごとに異なります。
そのため、評価試験に用いたキットの基準がすべてに適用されているわけではありませんので、その点はよくご注意ください。
それではいつも通り、基本データと評価項目の簡易レビューから参ります。
ブランド名
Figurerise Standard
(評価試験用にミオリネ・レンブランを使用)
メーカー
BANDAI
入手性(買いやすさ)
○
拡張性(組み換えしやすさ)
△
キャラクターキットなので、組み換えやカスタムはあまり想定されていない。
布服(布服着用のしやすさ)
△
そもそもキャラクターが着用しているコスチュームをキットのボディとして構成しているので、改めて布服を着せたいのであれば別の素体を用意する方が楽。
小物(社外製品の小物との組み合わせやすさ)
未評価(キット次第)
評価試験に用いたミオリネはハンドパーツの素材が軟質PSであるのに対し、ウマ娘やドラゴンボールなどのキットでは硬質PSのハンドパーツが採用されている(30MS同様の素材と思われる、未検証)。
そのため、小物との絡めやすさはキット次第なので、未評価。
価格(手に取りやすい価格帯か)
◎
3000円~4000円台。
この低価格は流石のBANDAI。
ただし、付属品に関しては最低限である場合もある(Figureriseの18号にはハンドパーツは握り手・平手の二種類しか付属しない、等)。
組立てやすさ
◎
素体の構造は非常に組みやすく、素直。
体形
M
メガミ神姫と同程度ではあるものの、キット準拠なので体形や身長は増減がある。
可動
○⁻
服(コスチューム)込みの造形なので、手足が90°程度しか曲がらない。
ウマ娘・ドラゴンボールのキットは肘・膝に二重関節を採用しているので、もう少ししっかり稼働する(パッケージで確認したのみ)。
![](https://assets.st-note.com/img/1732627306-VPWHXICzjEavoFyOL2etg7R4.jpg?width=1200)
各部軸径
![](https://assets.st-note.com/img/1732627371-Z9UVEnW4qhxbBf1GLoOAHvFN.jpg?width=1200)
それでは、ここから詳細に見ていきましょう。
Figurerise StandardはBANDAIの作る人型プラモのブランドです。
人型、と括ったのは、仮面ライダーやウルトラマンなど、特撮ヒーローのキットからドラゴンボールやウマ娘のようなアニメキャラまで幅広くキット化している為で、単に美少女に限ったブランドではないからです。
キャラクター再現キットであるため、同ブランド内でも組み換えやミキシングなどはあまり期待できず、キット単体での完成、あるいはボディのみ・ヘッドのみを利用する形になりがちですね。
価格と組み立てやすさは流石のBANDAI製なので、その点からはプラモ初心者にも強くお勧めが出来ます。
一方で、ハンドパーツはキットによって軟質PSと硬質PSが使い分けられているので、小物の持たせやすさはキット次第、としか判定出来ないのは少々難点ですが、事前にBANDAIのホームページで各キットの説明書を確認することは出来るので、そこで材質をチェックすると間違いがないでしょう。
また、胴体などの造形はキャラクターのコスチュームを再現したものになりますので、フラットな素体として活用するのはまず無理ですし、布服を着せたいのならば素材ちゃんのような布服用の別素体を用意する方がはるかに楽です。
加えて、可動については見栄え優先の傾向があり、少々見劣りする部分があります。
評価試験用のミオリネは肘や膝が90°程度しか動きませんでした。
尤も、これはミオリネがアクションポーズを取らせる必要の薄いキャラクターだったからで、ウマ娘やドラゴンボールなどのキャラクターは肘や膝の可動範囲を広げるために二重関節を採用しており、よく動くようです(未検証)。
この辺りはFigurerise Standardというブランドがキャラクター性によって重視するポイントを変えているため、ですね。
また、フェイスパーツについても、デカールが豊富についてくるものの、タンポ印刷ありのフェイスは一種類、タンポなしのフェイスは二個しか付属しなかったので、ちょっともったいない印象でした。
尤も、低価格であることを考えるとそこは仕方のないポイントですし、ウマ娘のキットなどはもっと多くのフェイスが付属するようです(その分価格は上がります)。
ただ、初心者にとってはデカールを貼ってトップコートで保護、という工程はハードル高めですし、その辺のバランスは受け手によって評価が割れるかもしれませんね。
デカール貼りがご自身で出来るのであれば、BANDAIのパーツ請求はパーツ単位で購入できるので、どうしても種類が欲しい場合はフェイスパーツを取り寄せるというのも方法のひとつです。
タンポなしのパーツは一個60円+送料ですし、在庫さえあれば取り寄せは出来ます(タンポありのパーツは450円とお高い上、需要も多く在庫がない場合が多いです)。
あとは足首部分が素足とブーツで選択出来たり、シャベルとジョウロのような付属品も付いてくるのは、この価格帯ではちょっと嬉しいですね。
総評としては、結構キットごとに違う点が多く、ブランドとしての総評は少々難しく感じました。
特にハンドパーツの仕様が違うのは、評価をする側としては厄介でした。
ただ、30MS同様の低価格帯で組みやすいので、キャラクターが好きならば初めての美プラ(?)として選ぶのは充分に選択肢としてはアリだと思います。
拡張性などがほしいという場合は、別に方法を考えないといけなくはなりますけれど、それを考慮しても優秀なパフォーマンスのブランドであると思います。
いかがでしたでしょうか。
正確性を期するならば、ウマ娘のキットなども何個か買って検証するのが正道であるとは思いますが、まぁ、そのうち手に入れる機会があればまた知見の更新しようとは思います。