美プラのレビュー その5

美プラのレビュー その5
ダークアドヴェンド

美プラの簡易レビュー第5回は美プラ界のアダルト枠、ダークアドヴェンドを扱います。
ただし、この記事は一応全年齢向けという建前で、『美プラに興味はあるけど、何を買ったらいいか分からない』という方の手がかりになれば、という目的ですので、アダルトパーツの付属しないリラックスVer.(RX Ver.)でのレビューになります。
このブランドの真価を知りたい方は、DX Ver.を購入することをお勧めしますよ。
多分ダークアドヴェンドのDX Ver.は検索すればちゃんとした(意味深)レビューを見つけるのはそう難しくはないと思いますし。

さて、前置きはこのくらいにして、いつもの基本のデータと評価項目の簡易レビューから参ります。

ブランド名
ダークアドヴェンド
(評価試験用にソフィア RX Ver.を使用)

メーカー
アルファマックス

入手性(買いやすさ)
○⁻
中古市場を見れば買えないことはないが、思い通りに購入するのは難しい。
特にDX Ver.は中古市場でも高額で入手難だと思っていた方が良さそう。

拡張性(組み換えしやすさ)
○⁻
DX Ver.とRX Ver.など、同名キットのバリエーション違いを組み替えるような遊び方は十分楽しめる。
一方マシニーカ採用キットながら、他ブランドとのミキシングはそこまでやりやすくはない(体形が恵まれているので、手足などは外径が揃わない)。

布服(布服着用のしやすさ)
○⁻
恵体で手足が太いが、サイズがあれば相性は悪くない。

小物(社外製品の小物との組み合わせやすさ)

特にアダルト小物のようなものとは相性が良い(入手は困難)。

価格(手に取りやすい価格帯か)

リラックス(RX)Ver.は6000円くらい。
スタンダード(STD)Ver.は7000円程。
デラックス(DX)Ver.は10000超。
真価を知りたければDX Ver.を購入するのが鉄板なので、まぁ、高額キット。
加えてポテンシャルを引き出すためにはRX Ver.を買ったり、周辺小物を揃える必要があるなど、単体の出費で収まらないことも考えられる。

組立てやすさ
○⁺

体形
M⁺
頭身はメガミデバイスと同程度だが、恵体で手足が太ましい。

可動

マシニーカ採用キットなので、可動は優秀。

各部軸径

それでは、ここから詳細に見ていきましょう。
ダークアドヴェンドはマシニーカ規格を採用したアルファマックスのブランドで、方向性としてはモンスターをモチーフにした武装パーツと美プラの組み合わせ、というデザインになります。
STD Ver.にも武装パーツは付属しますし、普通に楽しむ分にはSTD Ver.でも十分です。
RX Ver.は武装は付属しませんし、素体デザインも私服をイメージしたものに変更されています(付属品も日常小物に変更されています)。
DX Ver.は素体デザイン、武装パーツともSTD Ver.と共通ですが、このブランドの真骨頂と言えるアダルトパーツが付属しています。
このパーツの存在がダークアドヴェンドというブランドを他の美プラと一線を画す存在に押し上げていると言っても過言ではありません。

が、この記事は全年齢対象なので、今回はそこには触れません(詳しく知りたい方は検索してみてくださいませ)。

構造としてはマシニーカ規格を採用しているので、メガミデバイスなどとの類似点は多いです。
そのため、マシニーカ規格に触れた事のある方でしたら組みにくさはあまり感じないと思いますし、可動も優秀で大変よく動きます。
また、体形的には恵体で手足は太ましいデザインですが、軸径自体は共通の部分も多く、メーカーを跨いだ組み換えも不可能ではありません。
加えて、各部は3mm軸なのでMSGなどのカスタムパーツにも対応しています。
素体デザインも装飾こそありますが取り外しは出来ますので、案外フラットな状態を作ることは出来る印象でした。
恵体なので服のサイズこそ選びますが、人体にない凹凸は少なく出来ますので、布服との相性は悪くはないと思います。

握り手パーツにはパーツをしっかりグリップするための溝が入っており、その点は見た目との兼ね合いで良し悪しがありますが、保持力を考えると悪いものではありません。
また、ソフィアのRX Ver.には缶チューハイのパーツとその持ち手が付属しているので、かなり太いパーツを手に持つことも出来ます。

各キットはモチーフがはっきりしているので、塗装やディティールアップなど単体での完成度を上げるカスタムには向いていますが、例えばソフィアとラーニアなどの別キットを組み合わせるのは少し難しいかもしれません。
一方でソフィアのDX Ver.とRX Ver.のような同名キットのパーツを組み合わせるような組み換えは大変やりやすいです。
特にRX Ver.はSTD Ver.やDX Ver.のオプションパーツセット的な位置づけとも取ることが出来ますので、手足や表情パーツを組み替える目的で購入するのも充分選択肢としてはアリだと思います。

また、繰り返しになりますが、このキットの強みはDX Ver.に付属のアダルトパーツですので、キット単体で楽しむことも充分に出来ますが、ガチャのゴブリンや同シリーズのキットを並べてブンドド遊びをするのに大変に向いていると言えます。
多分ですけど、100均に行って白やクリアイエローのスライムとか買ってくると、しあわせになれるとおもう。
山田化学のバケツと雑巾セットとか。
おゆまるくんを細長くのばしたものとか。
多分ですけど。

総評としては、人を選ぶものの、大変楽しめるポテンシャルを持ったブランドだと思います。
ただし、そのポテンシャルをすべて引き出すにはDX Ver.を買った方がいいですし、付属品扱いでガチャのゴブリンを買ったり100均の小物を買ったりと、知識と工夫が必要になります。
また、RX Ver.を追加で購入すると、一気に世界観や表現の幅が広がりますので、お勧めできます。
デメリットとしては、DX Ver.の入手性の悪さと、周辺小物やRX Ver.を合わせて購入すると出費として馬鹿にならない額になってしまうことです。

尤も、製品の基本方針としてアダルトな美プラキットというのは、現状唯一無二のコンセプトであると言えます。
そのため、下手に他のブランドで同じことをやろうとするよりは楽です。
個人的にはそういうのがお好きなら、モザイクのかかった説明書という前代未聞の逸品を眺めるだけでも価値はあると思います。

また、普通の美プラとして見た場合でもマシニーカ規格を採用した本ブランドは充分に動かして楽しく、良いデザインのブランドであると評価出来ます。
もしデザインが気に入って、ということならばSTD Ver.を購入してブンドドしたりディティールアップの工作をしたりというのも、充分にお勧め出来るルートです。
個人的には(アダルトパーツが唯一無二すぎるせいで)、あまり「普通の美プラ」としての評価が聞こえてこないのは寂しい限りだと思っていますし、そういう扱い方にも耐える良いブランドだと評価していますので。

いかがでしたでしょうか。
模型は趣味の創作なので様々な方向性に広がって楽しむのが良いと、個人的には思っています。
その中で、こうした本来アンダーグラウンドな内容のキットが製品として発売されたことは、美プラの多様性を表しているようで、個人的には好ましく思っています。
尤も、それを万人が共有できるか、というのは別問題なので、その点はまぁ、線引きが必要ではあるな、とは思いますが。

なんにせよ、この記事が相棒を選びあぐねる誰かの助けになればと願って、今回も筆を置こうと思います。
溜め込んだ下書きはまだまだありますので、ご興味お持ちの方は今後もお付き合いくださいますと嬉しく思います。


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