ポルトガルへ行った話。(6)完結。朝のリスボン
2018/12/23 11:50
旅行から一ヶ月以上たったけれど余韻を引き延ばすことができるから、ブログを書くことは楽しい。書くこと、綴って残すことも旅の喜びの一つだ。
ポルトガル旅行最後の日。フライトは15時だったので、13時には空港に着くようにしようと、ホステルの食堂で朝食を食べながら決めた。それまでの数時間、最後の観光を楽しもう。
雨はもう、降っていなかった。ほっ。
ポルトガル・リスボンといえばトラム。レトロでクラッシックなトラムにガタゴトと揺られながら、初めてリスボンの姿をみた。朝が早かったこともあり、観光客らしき人は私たちだけだった。
モダンよりレトロ。
自分の心を躍らせてくれるものを因数分解するとほとんどの場合"レトロ" "クラシック" "オールドファッション"なものが素数として残る。あと、"ファンタジー"。
(ねえ、待って。因数分解、素数の認識あってる?絶対間違ってるよね笑。数学とか忘れたけれど、なぜかこの表現がしっくりきた、うん、ただ使ってみたかっただけ。 )
ホステルの最寄りのトラム乗り場から終点まで。
"永遠に乗っていたい!お願いです。終点よ。こないでおくれ。"。そう思ったが、当たり前に終点はきた。
うっすらと白い霧に包まれたリスボンの街に、静かに朝日が降り注いでいた。"勇気は朝日とともにやってくる"。 朝、本来の魅力である静けさ、美しさ、生命力を存分に味わい、噛み締めた。
しばらく、街をあるいた。
タクシーで、バレンの塔に向かった。ついた時は、曇っていたが、時間を追うごとに、雲がさーっと別れて晴れ渡り、太陽が顔を出していった。朝日に反射したキラキラの海を背景にそびえ立つ、バレンの塔。この景色に、 言葉なく見とれてしまった。ああ。リスボン、ポルトガルからの最後のプレゼントだなあ、と。人間が全身で幸せを感じるとこういう状態になるのだなと知った。
私達はバレンの塔のすぐ脇に旅の締めくくりに、最高の場所を発見してしまった。
時間がなかった。もう空港に向かわなきゃ。
だけれど、私たちは目の前の素敵な場所に入らずにはいられなかった。
"10分ね"。"うん、10分だけね"。そう確かめ合うかの様に言い合って、海辺のカフェに腰を下ろした。
さんさんと差し込む朝日に目を細めて。地平線の果てまで優しく穏やかにみえる海を前にいただいた、パステル・ダ・ナタとコーヒー。
贅沢すぎる時間だった。
リスボン発ケルンボン着の飛行機に無事乗り込み、ポルトガルにさよならした。ありがとう!ポルトガル!
(ポルトガルブログ終)
リスボンからケルンまでの飛行機の中。なんて、私の人生は幸せなのだろうかと思った。
Minami
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