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ノスタルジーに恋をして

祖母は、お盆過ぎから編み始めたカーディガンを編み終え、
私が「魔法の箱」とよんでいた
針山や裁ちハサミやいろんな色の糸が
入ったクッキーの空き缶を開けた。
その中から1つのボタンを取り出し
新作に付けた。
祖母が、新作に付けたボタンは、
もう着なくなってしまった袖なしに付いていたそれで、私の記憶の中にある祖母がいつも着ているモノだった。
深緑色で金色の縁取りのボタンが、
その瞬間、笑ったように見えた。

#minamiri

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